COLUMN

〜医師監修〜脂肪豊胸に関するコラム

脂肪豊胸手術の術後経過と気をつけること(アフターケア)

脂肪豊胸手術の場合、脂肪注入部(もちろん胸ですね)と脂肪吸引部(主に大腿裏)とに分かれます。

それぞれについて見てみましょう!

脂肪注入部(胸)の経過

胸 日にち
<外見>
直後は腫れも出るので、一見パンパンに見えるかもしれません。ただ脂肪豊胸の場合、胸に脂肪を詰め込むと内部の圧力が上がって脂肪は死んでしまいますから、実際は片側200~250cc程度が適量と考えれれています。

写真は両胸で424cc(片胸212cc程度)しか注入していませんが、この程度の脂肪の量でこのバストの大きさを出せる力量のドクターはなかなかいません。

かといって、無理して片側300ccを超えて注入して直後に大きく見せかけても、結局は吸収されてしまったり、脂肪壊死が起きてしまいトラブルの原因になりますから、そのようなクリニックは避けた方が安全でしょう。

また注入時の内出血ですが、ここもドクターの力量の差が出ます。写真では内出血が出ていますがバージスライン付近に少量出ているのみで、7日目には大分減って目立たなくなっています。

これに対し、デコルテを中心に胸全体に内出血が出ている症例では、脂肪を注入している層が間違っており、その手術では皿形のバストになる可能性が高いので、この辺りをチェックすることが、脂肪豊胸を受けて失敗したと思ったり後悔するリスクを減らす重要なポイントになります。

大きさでは、脂肪の注入量を適量にしている当院の場合、1か月で70%くらいは仕上がっている感じで、3カ月目でもトップは1㎝程度しか小さくならないことが多いです(個人差はあります)。

実際に定着が終了し完成するのは、最低でも半年はかかると思って下さい。

<硬さ>
脂肪豊胸手術では、豊胸後1週間前後から徐々に硬くなってきますが、これはしこりではないので心配は要りません。この胸の硬さは通常の経過で、脂肪の拘縮によるものです。

実はこのバストが硬くなることがとても重要で、豊胸後2~3週間は硬いバストの方が皮膚が伸ばされるのでバストの丸みが出やすくなり、仕上がりにとってとてもいいことですから、ここで焦るのは愚の骨頂です。

自然に経過をみても大体1か月くらい経過すると殆ど柔らかくなりますが、もし硬い場合はドクターに診てもらいましょう(この場合は将来しこりになる可能性があります)。

施術名:豊胸・豊胸術
治療内容:自分の脂肪を太腿から吸引してバストにその脂肪を脂肪を注入します。
価格:647,500〜1,821,700円

リスク・副作用
・定着率には個人差があります(万が一1カップも変わらなければサイズ保証もあります)
・稀に内出血・腫れ・授乳時のような痛みがます(2、3週間位。個人差あり)
・稀に感染(腫れ・赤み・発熱・痛み)を起こすことがあります
・数ミリの傷跡が残ったり、体質により傷が盛り上がることがあります
・脂肪吸引部(主に太もも裏)に内出血・腫れ・筋肉痛のような痛み・皮膚が一時的に硬くなる、色素沈着がでる、凹凸が出ることがあります(修正の保証あり)
・胸にしこりが出来ることがあります(それが悪性化することはありません)
・手術後早期に麻酔の影響で吐き気、嘔吐、頭痛などが起きる人もいます
・脂肪吸引部に圧迫の影響で痒み、赤みが出ることもあります

脂肪注入部(胸)のために気をつけること・アフターケア

脂肪豊胸手術では、移植する脂肪は血管が繋がっていない状態で注入しますから、その後に新生血管が伸びて行って脂肪が定着することになります。よって、これを阻害することは、豊胸後避けるように気をつけなければいけません。

胸の腫れや痛み、内出血などは1カ月で大分落ち着きますが、まだ胸の中の脂肪は回復途中(重症患者がICUを出ただけで一般病棟に入院中のようなもの)ということを忘れずに!

胸のアフターケアについてですが、こちらは特に放置で何もケアすることはないです。

豊胸後1週間まで気をつけること

豊胸後1週間くらいは、注入した脂肪もその場に定着せず移動することがあるので、そのことにも配慮する必要があります。(逆に言うと、豊胸後1週間を過ぎてからは脂肪が移動してお腹や背中へ移動するような非科学的なことは起きませんよ)。
具体的には・・・。

●出来るだけ腕は水平以上に上げない
●脇の下に脂肪の固定用バンドを装着する
●うつ伏せ寝、横向き寝はしない(バストの高さや外乳がつぶれて形が歪になるリスクがあります)

※以上は立体的なバストが出来た時のみです。皿形のバストの時はこの限りではありません。

豊胸後1か月(出来れば3カ月)まで気をつけること

豊胸後1カ月くらい(出来れば3カ月)は、内出血や腫れがひいて治った印象もありますが、まだまだ回復途中ですから代謝が上がることは避け、十分な安静と栄養が必要な時期です。また脂肪細胞への毛細血管も細く弱いので、お胸への強い外力は避けたいところです。よって具体的には・・・。

●有酸素運動
●特に腕を動かす運動(胸の安静が保てない)
●インディバ(代謝が上がるリスク)
●酸素カプセル
●ダイエット(豊胸術後は浮腫んで体重が増えているケースが殆どなので、栄養を取る上でも体重は増やす方向で)
●ピルの内服(毛細血管がつまり、しこりの原因になるリスクがある)
●飲酒(アルコール)、喫煙
●胸を揉む(軽く洗う程度ならOK)
●締め付ける服装(ワイヤー入りブラジャーはNG。ニップレスに緩めのキャミソールがおすすめ)
●うつ伏せ寝・横向き寝

脂肪吸引部(主に大腿裏)で気をつけること・アフターケア

脚 日にち
<外見>
腫れや内出血が出ますが、体質や術者の技量、脂肪吸引器の種類によって変わってきます。

写真はアキ―セル脂肪吸引器で丁寧に脂肪吸引を行ったケースですが、腫れや内出血がかなり少ないですね(個人差はあります)。

標準的には、豊胸後2~3週間で大分落ち着いてきて、1カ月では外見上は殆ど元に戻っていると思います。

<痛み>
これも術者の技量や脂肪吸引器の種類によって大分変ってきますが、例えば当院の場合は翌日(術後1日目)が傷みのピークですが、翌々日(術後2日目)には8割程度に治まり、さらに翌日(術後3日目)には6割程度に治まるという意見が多いです。

この程度になると、デスクワークなら仕事に行けると皆さん仰いますので、休みは手術日を含めて3日はあると安心です。

<硬さ>
豊胸後1週間前後になると、脂肪吸引部の皮膚が硬くなってきます。これは皮膚の拘縮といい、大分治まるまで2~3カ月くらいかかり、インディバやマッサージが必要なケースもあります。ただ、インディバは代謝が上がる懸念があり、胸の脂肪の定着に悪影響を及ぼすリスクがあるので、当院ではおススメしていません。

そもそも皮膚の拘縮は、手術操作でのダメージが大きいほど強くなるので、侵襲が少ない新型の脂肪吸引器で愛護的に手術を行えば、インディバが不要なケースが殆どです。

<感覚>
脂肪吸引をすると、必ず触った感覚が鈍くなりますが、長くても半年くらい時間をかければ元に戻りますから安心して下さい。(これも脂肪吸引のダメージが大きいほど回復が遅いです)

【施術名】アキーセル脂肪吸引
【施術内容】次世代の高周期振動技術を採用し、脂肪を吸引する手術です。

【費用】230,000〜1,510,000円


【副作用・リスク】腫れ・痛み・発熱、内出血、貧血、皮膚が一時的に硬くなり、ひきつれる、凹凸になる、予想より細くなっていないと感じる、皮膚のたるみ、一時的な皮膚近くの鈍麻、色素沈着、頭痛・吐き気・嘔吐などを生じることがあります。(FDA承認機器、国内未承認。入手経路:個人輸入。同様の国内承認機器なし。諸外国における安全性等にかかる情報では、重大な副作用は報告されていません。2020年8月現在)

このコラムを監修したドクター

院長 坂内誠
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長 坂内 誠

保有資格

医学博士/美容外科専門医

経歴

  • 1995 新潟大学医学部医学科卒
    新潟大学医学部附属病院 外科勤務
  • 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
  • 2001 同上卒 医学博士取得
  • 2006 大手美容外科入職
    都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録
  • 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任

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