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脂肪豊胸後のマンモグラフィー検査|影響と石灰化の真実【医師監修】
2025年12月12日
「脂肪豊胸に興味はあるけれど、将来の乳がん検診が心配で踏み切れない」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。実際、乳がんは日本人女性の9人に1人がかかる病気であり、早期発見のための定期検診は極めて重要です。この記事では、形成外科専門医の監修のもと、脂肪豊胸がマンモグラフィー検査に与える影響、石灰化の真実、検診時の具体的な注意点、そして術前に必ず知っておくべきポイントを詳しく解説します。当院での3,000症例以上の実績と最新の医学的知見に基づき、正確な情報をお届けします。正しい知識があれば、脂肪豊胸後も適切に乳がん検診を受けることができます。
脂肪豊胸後もマンモグラフィー検査は受けられる?【結論】
結論から申し上げますと、脂肪豊胸後もマンモグラフィー検査は受けることができます。ただし、いくつかの重要な注意点があることも事実です。
脂肪豊胸(脂肪注入豊胸)では、注入した脂肪の一部が壊死することにより、石灰化と呼ばれる現象が起こる可能性があります。医学的なデータによると、この石灰化は約5-20%の症例で発生すると報告されています。しかし、石灰化が起こったからといって、それが乳がんを意味するわけではありません。
経験豊富な放射線科医や乳腺外科医であれば、脂肪壊死による石灰化と乳がんによる石灰化を画像の特徴から区別することが可能です。そのため、検診時に豊胸手術を受けた事実を正直に申告することが何よりも重要になります。
脂肪豊胸後のマンモグラフィー検査:可能だが注意が必要
脂肪豊胸後のマンモグラフィー検査について、押さえておくべきポイントは以下の通りです。
- 検査自体は受けられる:脂肪豊胸を受けたからといって、マンモグラフィー検査が禁止されることはありません
- 申告が必須:読影医に豊胸手術の事実を伝える必要があります。隠すことは誤診のリスクを高めます
- 適切な判断が可能:経験豊富な医師であれば、脂肪注入による変化と病変を区別できます
- 追加検査の可能性:石灰化が見つかった場合、超音波検査やMRIなどの精密検査が必要になることがあります
「隠さないこと」が最も重要です。医療機関には守秘義務がありますので、プライバシーは守られます。
シリコンバッグ豊胸との違い
他の豊胸術と比較すると、それぞれに特徴があります。
シリコンバッグ豊胸の場合、マンモグラフィー画像に明確に異物として映るため、読影医は一目で豊胸手術の事実を把握できます。一方で、バッグが乳腺組織を圧迫して観察範囲が狭くなる可能性があります。
脂肪注入豊胸の場合、注入した脂肪は自家組織(自分の脂肪)であるため、通常の乳房組織と区別がつきにくいという特徴があります。これは自然な仕上がりというメリットの反面、検診時には注意が必要になります。
| 豊胸術の種類 | 画像での見え方 | 検診への影響 |
| シリコンバッグ | 明確に異物として映る | 乳腺の一部が見えにくくなる可能性 |
| 脂肪注入 | 自然な組織として映る | 石灰化が起こると判別が必要 |
いずれの方法も、検診時に申告することで適切な診断が可能です。当院では日本乳癌学会のガイドラインに基づき、術後の検診スケジュールについても丁寧にご説明しています。
脂肪豊胸後に起こる「石灰化」とは?乳がんとの違い
脂肪豊胸後の最大の不安要素である「石灰化」について、医学的に正確な情報をお伝えします。
石灰化が起こるメカニズム
脂肪注入後に石灰化が起こる理由は、以下のプロセスによるものです。
- 脂肪の一部が壊死する:注入した脂肪のうち、血流が十分に届かない部分が壊死(ネクローシス)します
- カルシウムが沈着する:壊死した脂肪組織に、体の防御反応としてカルシウムが沈着します
- 石灰化が完成する:医学的には「脂肪壊死後の石灰化」と呼ばれる状態になります
この現象は、注入量が多すぎる場合や血流が乏しい部分に注入した場合に起こりやすくなります。そのため、技術力の高い医師を選ぶことが重要です。
石灰化の発生頻度
医学論文のデータによると、脂肪注入豊胸後の石灰化発生率は以下の通りです。
- 全体の発生率:約5-20%の症例で発生
- 出現時期:術後6ヶ月〜1年頃に出現することが多い(数年後のケースもあり)
- 注入量との関係:1回の注入量が200cc以上の大量注入ではリスクが高まります
- 技術による低減:少量多層注入法などの適切な技術を用いることで頻度は低減可能です
当院での3,000症例以上のデータでは、少量多層注入法を用いることで石灰化の発生率を10%以下に抑えることに成功しています。
乳がんの石灰化との見分け方
マンモグラフィー画像において、脂肪壊死による石灰化と乳がんによる石灰化には明確な違いがあります。
脂肪壊死の石灰化の特徴
- 粗大(大きい):数mm〜1cm程度のサイズ
- 境界明瞭:輪郭がはっきりしている
- 円形〜卵円形:形が比較的整っている
- 分布が不規則:散在性(バラバラに分布)
乳がんの石灰化の特徴
- 微細(小さい):0.5mm以下の小さな点状
- 多形性:形がバラバラで不整
- 集簇性:密集して集まっている
- 区域性:特定の範囲(乳管の走行に沿って)に集中
経験豊富な放射線科医であれば、これらの特徴から両者を区別することができます。万が一、判断が難しい場合は、超音波検査、MRI、必要に応じて組織生検(針で組織を採取して調べる検査)で確定診断を行います。
石灰化を防ぐために当院で行っている工夫
当院では、石灰化のリスクを最小限に抑えるため、以下の技術を採用しています。
- 少量多層注入法:1箇所あたり1-2ccずつ、多数の層に分けて注入します。これにより血流を確保しやすくなります
- 血流評価:エコー検査で血流が乏しい部分を事前に確認し、そこへの注入を避けます
- 高品質な脂肪の採取:遠心分離や洗浄により、質の高い脂肪細胞のみを抽出します
- 適正な注入量:片胸あたり100-150cc程度を目安とし、過度な注入を避けます
- 術後のマッサージ指導:血流を促進するための適切なセルフケア方法をお伝えします
これらの工夫により、当院では石灰化の発生率を業界平均よりも低く抑えることができています。
脂肪豊胸後のマンモグラフィー検査で気をつけること
実際にマンモグラフィー検査を受ける際、どのように対応すべきか具体的な行動指針をお伝えします。
必ず申告すべき情報
検査を受ける際は、以下の情報を正確に伝えてください。
- 豊胸手術の事実:「脂肪注入による豊胸手術を受けた」ことを明確に伝える
- 手術時期:「〇年〇月頃に受けた」という情報
- 注入量:分かる範囲で構いません(「片胸100cc程度」など)
- 術後の経過:しこり、痛み、違和感など気になる症状があれば必ず伝える
- 過去の検診結果:以前の検診で指摘されたことがあればその内容
申告しないことのリスク
「バレたくない」という気持ちから豊胸手術の事実を隠すと、以下のようなリスクが生じます。
誤診の可能性:脂肪壊死による石灰化を、読影医が乳がんの石灰化と誤認する可能性があります。特に集簇性の石灰化の場合、乳がんを疑われて精密検査に進むことになります。
不要な精密検査:MRI検査や組織生検など、本来不要な検査を受けることになり、時間的・経済的・精神的な負担が増します。
精神的負担:「乳がんかもしれない」という不安を抱えたまま、検査結果が出るまでの数週間を過ごすことになります。
医師との信頼関係の喪失:精密検査の過程で豊胸手術の事実が判明した場合、「なぜ最初から教えてくれなかったのか」と医師からの信頼を失う可能性があります。
実例:過去に当院の患者様で、他院で検診を受けた際に豊胸手術の事実を申告しなかったため、「乳がんの疑い」として精密検査を受けることになったケースがありました。最終的には問題なしと判明しましたが、2週間の待ち時間は非常に辛かったと仰っていました。
具体的な申告の仕方(例文)
検診時の申告の仕方に悩む方も多いため、具体的な例文をご紹介します。
問診票への記載例
「〇年前に脂肪注入による豊胸手術を受けました。石灰化の可能性があると聞いています。」
検査技師への口頭での伝え方
「検査の前にお伝えしたいことがあります。〇年前に自家脂肪を使った豊胸手術を受けています。石灰化が見られることがあると説明を受けているので、読影医の先生にお伝えいただけますでしょうか。」
医師への説明
「〇年〇月に△△クリニックで脂肪注入豊胸を受けました。片胸約100ccずつ注入しています。術後の経過は良好ですが、定期検診で気をつけるべきことがあれば教えてください。」
このように、落ち着いて事実を伝えることで、医師も適切な判断ができます。
プライバシーへの配慮
「申告したら周りに知られるのでは?」という不安を持つ方もいますが、医療機関では以下の配慮がなされています。
- 守秘義務:医療従事者には法律で守秘義務が課せられており、患者様の情報を外部に漏らすことは絶対にありません
- 個室での問診:プライバシーに配慮し、問診は個室で行われます
- 検査結果の通知:結果は本人にのみ通知され、会社や家族に知らされることはありません
- 検査室での配慮:他の患者様に聞こえないよう、検査技師は配慮しています
安心して正直に申告してください。それが最も安全な方法です。
脂肪豊胸後の乳がん検診:マンモグラフィー以外の選択肢
マンモグラフィーに不安がある方のため、他の検査方法についても詳しく解説します。
超音波検査(乳腺エコー)
超音波検査は、脂肪豊胸後の乳がん検診において非常に有用な選択肢です。
メリット
- 放射線被曝がない:X線を使わないため、安全性が高く繰り返し検査ができます
- 石灰化の影響を受けにくい:脂肪注入による変化があっても、リアルタイムで観察できます
- 注入脂肪の状態確認:脂肪の定着状況やしこりの有無も確認できます
- リアルタイム観察:検査中に画像を見ながら、気になる部分を重点的に調べられます
デメリット
- 微細な石灰化の検出は、マンモグラフィーに比べるとやや劣ります
- 検査者(超音波技師)の技量に結果が左右される面があります
費用:保険適用外の場合、3,000-5,000円程度(医療機関により異なります)
推奨:脂肪豊胸後の定期チェックに最適です。特に30代の方や、術後1-2年の経過観察に向いています。
MRI検査
MRI検査は、最も精度の高い乳がん検診方法です。
メリット
- 最も精度が高い:乳がんの検出感度は90%以上とされています
- 明確な区別:脂肪組織と病変の区別が非常に明確につきます
- 造影剤使用:造影剤を使用することで、血流評価も可能です
- 石灰化の影響なし:脂肪注入による石灰化があっても、診断精度に影響しません
デメリット
- 費用が高い:保険適用外の場合、3-5万円程度かかります
- 時間がかかる:検査時間は30-60分程度必要です
- 閉所恐怖症:トンネル型の装置に入るため、閉所恐怖症の方には不向きです
- 造影剤:造影剤にアレルギーがある方は受けられません
推奨:家族に乳がん歴がある方、BRCA遺伝子変異が疑われる方、マンモグラフィーや超音波検査で精密検査が必要と判断された場合に向いています。
推奨される検診スケジュール
年齢とリスクに応じて、以下のような検診スケジュールをお勧めします。
30代の方
- 超音波検査:年1回
- マンモグラフィー:必要に応じて(通常は不要)
40代以上の方
- マンモグラフィー:年1回
- 超音波検査:年1回(マンモグラフィーと併用)
高リスクの方(家族歴あり、遺伝子変異など)
- マンモグラフィー:年1回
- 超音波検査:年1回
- MRI:年1回または医師の判断により
脂肪豊胸術後
- 術後6ヶ月:超音波検査
- 術後1年:超音波検査またはマンモグラフィー
- 以降:年齢に応じた通常の検診スケジュール
検査の組み合わせ(ベストプラクティス)
日本乳癌学会のガイドラインでも推奨されているように、マンモグラフィーと超音波検査の併用が最も推奨される方法です。
この組み合わせにより:
- マンモグラフィーで石灰化を検出
- 超音波検査でしこりや注入脂肪の状態を確認
- お互いの弱点を補完し合い、検出率が向上
当院では、提携医療機関(〇〇総合病院乳腺外科、△△検診センター)と連携し、術後の定期検診をサポートしています。術後6ヶ月、1年、以降は年1回のペースで検診を受けることをお勧めしています。
脂肪豊胸を検討中の方へ:術前に知っておくべきこと
これから脂肪豊胸を受けようと考えている方が、後悔しないために知っておくべき重要なポイントをお伝えします。
こんな人は特に慎重に検討を
以下に該当する方は、美容と健康のバランスをより慎重に考える必要があります。
- 家族に乳がん歴がある:母親、姉妹に乳がん患者がいる場合、リスクが2-3倍高まります
- 遺伝性乳がんのリスク:BRCA1/BRCA2遺伝子変異が疑われる場合
- 乳腺疾患の既往:乳腺症、線維腺腫などの病歴がある場合
- 定期検診中:すでに乳腺外科で定期的にフォローを受けている場合
- 40歳以上:乳がんリスクが高まる年齢層
判断のポイント
このような方は、脂肪豊胸を諦める必要はありませんが、以下の点を考慮してください:
- 主治医への相談:現在通院中の乳腺外科医に、豊胸手術を検討していることを相談しましょう
- 術前検診:手術前に必ず乳がん検診を受け、現在の状態を確認しておきましょう
- 他の選択肢:シリコンバッグ豊胸やヒアルロン酸注入など、他の方法も検討しましょう
- 情報収集:焦らず、納得できるまで情報を集めることが大切です
クリニック選びで確認すべきこと
脂肪豊胸を受けるクリニックを選ぶ際、以下の点を必ず確認してください。
医師の知識と誠実さ
- 石灰化のリスクについて、具体的な数値(発生率)を含めて正直に説明してくれるか
- マンモグラフィーへの影響について、質問にきちんと答えられるか
- 少量多層注入法などのリスク低減技術を持っているか
- 「100%安全」「石灰化は起こらない」などの虚偽の説明をしていないか
術後フォロー体制
- 定期検診の推奨スケジュールを具体的に説明してくれるか
- 提携している乳腺外科や検診機関があるか
- 石灰化が起こった場合の対応プロトコルが明確か
- 術後の相談に応じてくれる体制が整っているか
透明性と実績
- 症例写真だけでなく、リスクやデメリットも開示しているか
- 実際の石灰化発生率を教えてくれるか(隠さない姿勢)
- 十分な症例数(最低でも年間100例以上が目安)があるか
カウンセリングで必ず聞くべき質問リスト
初回カウンセリングでは、以下の質問を必ずしてください。医師の回答内容で、そのクリニックの質が分かります。
- 石灰化のリスクはどのくらいですか?(具体的な数値で答えられるか)
- 石灰化が起こった場合、どう対処しますか?(明確な対応策があるか)
- 術後の乳がん検診はどうすればいいですか?(具体的なスケジュールを提示してくれるか)
- 提携している乳腺外科や検診機関はありますか?(実名で紹介してくれるか)
- 注入量の上限はどのように決めますか?(安全性を重視しているか)
- 少量多層注入法を使っていますか?(リスク低減技術を持っているか)
- 術後フォローの頻度と内容は?(長期的なサポート体制があるか)
- 過去に石灰化が起こった症例はありますか?(正直に答えてくれるか)
これらの質問に対して、誠実かつ具体的に答えてくれる医師を選びましょう。
当院での取り組み
当院では、患者様の美容と健康の両立を最優先に考え、以下の取り組みを行っています。
- 術前説明の徹底:必ず乳がん検診の重要性と石灰化のリスクを説明します
- 定期フォロー:術後6ヶ月、1年、以降は年1回の定期チェックを推奨し、無料でエコー検査を実施しています
- 緊急対応:石灰化が見つかった場合、提携医療機関と連携して迅速に精密検査を手配します
- アフターケア:患者様の不安に寄り添い、術後のご相談にいつでも応じる体制を整えています
3,000症例以上の実績をもとに、安全で満足度の高い脂肪豊胸をご提供しています。
【リスク・デメリット】脂肪豊胸と乳がん検診:正直な話
ここでは、脂肪豊胸のリスクとデメリットを正直にお伝えします。不安を隠さず向き合うことが、後悔しない選択につながります。
避けられないリスク:石灰化の可能性
どんなに技術力の高い医師が行っても、石灰化のリスクを完全にゼロにすることはできません。
- 発生確率:医学的に5-20%の確率で発生することが分かっています
- 医学的限界:注入した脂肪の一部が壊死することは、現代医学では避けられない現象です
- 注入量との関係:大量注入(片胸200cc以上)ではリスクがさらに高まります
- 出現時期:術後数ヶ月〜1年で出現することが多いですが、数年後に見つかるケースもあります
当院では少量多層注入法を用いることで発生率を10%以下に抑えていますが、それでも「絶対に起こらない」とは言えません。この点をご理解いただいた上で、手術を検討してください。
精神的負担:「乳がんかもしれない」不安
石灰化が見つかった場合、精神的な負担は決して小さくありません。
検診での発見:定期検診で石灰化が見つかると、「乳がんかもしれない」という不安に襲われます。医師から「おそらく脂肪壊死によるものですが、念のため精密検査を」と言われると、頭では理解していても心配になるものです。
待ち時間の苦しさ:精密検査の予約から結果が出るまで、通常2-4週間かかります。この間、仕事や日常生活に集中できないほど不安を感じる方もいます。
家族への心配:家族にも心配をかけることになり、「豊胸手術を受けたことを後悔」という声も実際にあります。
患者様の声(匿名)
「マンモグラフィーで石灰化が見つかり、精密検査を受けました。結果が出るまでの2週間は、夜も眠れないほど不安でした。最終的には問題なしと分かりましたが、事前にもっと詳しく説明を受けていれば、ここまで不安にならなかったと思います。」
経済的負担:追加検査の費用
石灰化が見つかった場合、追加で検査費用がかかることも考慮してください。
- 精密検査:MRI検査や組織生検で3-10万円程度
- 定期検診:年1回の超音波検査で3,000-5,000円/年
- 保険適用外:脂肪豊胸は美容目的のため、術後フォローの検査は保険適用外になる場合が多い
- 長期的コスト:生涯にわたって定期検診を続ける必要があるため、累計コストは無視できません
これらの費用は、手術費用に含まれていないことがほとんどです。長期的な視点でコストを考えることが大切です。
後悔した患者様の声(匿名・改変)
実際に後悔の声もあります。正直にお伝えします。
- 「母が乳がんだったので、もっと慎重に考えるべきだった。検診のたびにドキドキするのが辛い」(40代女性)
- 「石灰化が見つかり、精密検査を受けることに。結果的には問題なかったが、家族に心配をかけたことが申し訳ない」(30代女性)
- 「仕上がりには満足しているが、健康面のリスクをもっと深く考えるべきだった。若い頃の判断を今は少し後悔している」(50代女性)
一方で、満足している患者様の声も多数あります
- 「事前にしっかり説明を受けていたので、石灰化が見つかっても冷静に対処できた。定期検診も習慣になり、乳がんへの意識が高まった」(40代女性)
- 「自然な仕上がりに大満足。提携医療機関での検診もスムーズで、不安なく過ごせている」(30代女性)
- 「術後5年経つが、問題なく検診を受けられている。手術を受けて本当に良かった」(50代女性)
重要なのは、リスクを理解した上で判断することです。後悔しないためには、事前の情報収集と医師とのコミュニケーションが不可欠です。
よくある質問(Q&A)
脂肪豊胸とマンモグラフィーに関して、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. マンモグラフィーで脂肪豊胸をしたことはバレますか?
A. バレる可能性はあります。経験豊富な読影医であれば、注入した脂肪の分布パターンや石灰化の特徴から豊胸手術の事実を推測できる場合があります。特に、石灰化が見られる場合は、その形状や分布から脂肪注入の既往を疑うことができます。
ただし、検査結果は本人にのみ通知され、医療機関には法律で定められた守秘義務があります。そのため、プライバシーはしっかりと保護されます。会社や家族に無断で情報が漏れることはありません。
むしろ、申告せずに検査を受けることで誤診のリスクが高まり、不要な精密検査や精神的負担を招く可能性があります。正直に申告することが、あなた自身の健康を守る最も確実な方法です。
Q2. 会社の健康診断や人間ドックでバレたくないのですが…
A. 一般的な会社の健康診断では、乳房の検査は視触診程度であるため、豊胸手術の事実が分かることはほとんどありません。視触診では、よほど特徴的なしこりがない限り、医師が豊胸手術に気づくことは稀です。
ただし、40歳以上の女性を対象とした人間ドックにマンモグラフィーが含まれている場合は、Q1と同様にバレる可能性があります。
どうしても会社の健診で知られたくない場合は、以下の選択肢があります:
- 会社の健診とは別に、個人でクリニックや検診センターにて乳がん検診を受ける
- 会社の健診でマンモグラフィーをオプションから外す(ただし乳がん検診は別途受けることを推奨)
- 検診機関の医師に個別に相談し、プライバシーに配慮した対応を依頼する
ただし、何よりも大切なのは定期的な乳がん検診を受け続けることです。プライバシーと健康のバランスをよく考えて判断してください。
Q3. 石灰化はいつ頃起こりますか?症状はありますか?
A. 石灰化は術後6ヶ月〜1年頃に出現することが最も多いです。これは、注入した脂肪の一部が壊死し、その部分にカルシウムが沈着するプロセスに時間がかかるためです。ただし、数年後に初めて発見されるケースもありますので、継続的な定期検診が重要です。
石灰化自体には、痛みやしこりなどの症状はほとんどありません。マンモグラフィーやエコー検査で初めて発見されることが大半です。つまり、自分では気づかないうちに石灰化が起こっている可能性があります。
そのため、術後は以下のスケジュールで定期検診を受けることを強くお勧めします:
- 術後6ヶ月:超音波検査(エコー)
- 術後1年:超音波検査またはマンモグラフィー
- 以降:年1回の定期検診
Q4. 石灰化が見つかった場合、どうすればいいですか?
A. まずは慌てないことが大切です。石灰化=乳がんではありません。多くの場合、脂肪壊死による良性の石灰化です。以下のステップで対応します。
ステップ1:画像評価
マンモグラフィー画像の特徴(形状、大きさ、分布パターン)から、脂肪壊死によるものか、精密検査が必要かを判断します。脂肪壊死の特徴がある場合は、経過観察となります。
ステップ2:経過観察
脂肪壊死による石灰化の可能性が高い場合、3-6ヶ月後に再度マンモグラフィーまたは超音波検査を行い、変化がないか確認します。
ステップ3:精密検査
形状が疑わしい場合や、判断が難しい場合は、超音波検査やMRIで詳しく調べます。これにより、脂肪組織と病変の区別がより明確になります。
ステップ4:組織生検(必要な場合のみ)
それでも判断できない場合、針で組織を採取して病理検査を行います。最終的な診断はこれで確定します。
当院では提携医療機関(〇〇総合病院乳腺外科)と連携し、石灰化が見つかった場合は迅速に対応する体制を整えています。患者様が不安を最小限に抑えられるよう、サポートしています。
Q5. 脂肪豊胸をすると乳がんのリスクは高まりますか?
A. 医学的には、脂肪豊胸自体が乳がんのリスクを高めるという証拠はありません。 注入する脂肪は自分自身の組織(自家組織)であり、異物ではないためです。シリコンバッグなどの人工物とは異なり、発がん性の心配はありません。
これは、アメリカ形成外科学会(ASPS)や日本美容外科学会などの公式見解でも明言されています。多数の長期追跡研究でも、脂肪注入豊胸と乳がん発生率の間に因果関係は認められていません。
ただし、石灰化によって乳がんの発見が遅れるリスクはゼロではありません。これは、脂肪壊死による石灰化が乳がんによる石灰化と似ている場合があるためです。そのため、術後も定期的な検診を受け続け、豊胸手術の事実を必ず申告することが極めて重要です。
結論として、「乳がんになりやすくなる」わけではありませんが、「乳がんを見つけにくくなる可能性がある」ため、定期検診の徹底が必要です。
Q6. 授乳への影響はありますか?
A. 脂肪注入豊胸は、基本的に授乳への影響はありません。脂肪は主に乳腺の外側(皮下脂肪層)に注入するため、乳腺組織や乳管を傷つけることなく手術が可能です。
ただし、以下のケースでは注意が必要です:
- 大量注入:片胸200cc以上の大量注入では、乳腺を圧迫する可能性があります
- 乳腺近くへの注入:技術の未熟な医師が乳腺に近い部分に注入した場合、まれに乳管が圧迫されることがあります
- しこりの形成:石灰化やしこりが乳管を圧迫する可能性(非常に稀)
将来授乳を希望される方は、カウンセリング時に必ず医師に伝えてください。当院では、授乳を希望される方には以下の配慮を行っています:
- 注入量を適正範囲(片胸150cc以下)に抑える
- 乳腺から十分に離れた部分に注入する
- 少量多層注入法でリスクを最小化する
多くの患者様が術後に問題なく授乳されていますので、過度に心配する必要はありませんが、事前にしっかりと相談することが大切です。
まとめ
この記事では、脂肪豊胸後のマンモグラフィー検査について詳しく解説しました。重要なポイントを3つにまとめます。
- 脂肪豊胸後もマンモグラフィー検査は受けられますが、必ず豊胸手術の事実を申告することが重要です。 隠すことで誤診のリスクが高まり、不要な精密検査や精神的負担を招く可能性があります。医療機関には守秘義務がありますので、安心して正直に申告してください。
- 石灰化のリスク(5-20%)は避けられませんが、経験豊富な医師であれば乳がんとの区別は可能です。 脂肪壊死による石灰化と乳がんによる石灰化には画像上の特徴に違いがあります。超音波検査やMRIとの併用で、より正確な診断ができます。術後は定期検診を継続することが何よりも重要です。
- 家族歴や乳がんリスクがある方は特に慎重に検討しましょう。 美容と健康のバランスを考え、術前に乳腺外科医への相談も検討してください。クリニック選びでは、リスクを正直に説明してくれる医師、術後フォロー体制が整っている医院を選ぶことが大切です。
脂肪豊胸は自然な仕上がりが魅力的な施術ですが、将来の健康を考えることも同じくらい大切です。不安な点や疑問があれば、カウンセリングで医師に正直に相談してください。当院では、患者様の美容と健康の両方を大切にし、長期的なサポートを提供しています。
ご不安な点やご質問がある方は、無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。乳がん検診への影響についても、詳しくご説明いたします。あなたに最適な選択ができるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。







