豊胸バックの除去について
シリコンバック豊胸をしたけれど、やっぱり取り出したい!
シリコンバックを取り出したくなる理由は?
いざシリコンバック豊胸をしてみても、取り出したくなることはよくあり、当院には取り出しと同時に脂肪豊胸手術希望する方がよく来院されます。
取り出したくなる理由としては、
①感触が不自然(触るとペコペコする、冷やっとするなど)
②動きが不自然(寝ころんだ時にも流れずにボールが入った感じに盛り上がっている、走っても階段でも揺れない)
③形が不自然(急にポン!と張り出しバックとの段差が出来る、谷間が遠く離れ乳になっている、胸板みたいにデコルテだけ盛り上がっている)
要は異物なので所詮まがいもの!どこをとっても不自然で、思惑と違ったのい取り出したい!ということですね。
また、
④シリコンバックが原因の病気(BIA-ALCLというリンパ腫やBIA-SCCという皮膚がん)になると聞いて怖くなった
という方もいらっしゃいます。
その他、取り出したくならなくても、
⑤破裂してしまった
という方もいて、シリコンバックは一生ものでなく寿命があり、一度入れたら入れっぱなしでいいということはありません。大体10年過ぎると入れ替える時期がきたと考えた方が無難です。
ちなみに、シリコンバックが破裂したらどうなるか?
シリコンバックの被膜の外側に、自分の組織でできた被膜(カプセル)もありますから、肉眼的にはシリコンバックの被膜が破れて中身のシリコンが飛び出してもカプセル内にはシリコンジェルは留まっていますが・・・。
時間が経過すると黄色く変色していますから、白血球をはじめとした細胞の浸潤があると考えられます。(写真は上下別の症例ですが、ともに片方が破裂していてカプセル内にシリコンが漏れ出ていました。黄色く変色もしてますね)
破れていた側の頭痛や首筋に痛みや違和感を感じ、シリコンバックを除去したら軽快したケースも経験しています。
やはりシリコンジェルは身体に無害とは言えませんから、安くて確実に大きく出来るからといって、健康を害する可能性のあるものを自分の身体の中に入れるなんて、個人的には正気の沙汰とは思えません!
どこで取り出す?費用はどのくらい?
基本、保険が効きませんので、シリコンバックを取り出すのは自由診療の美容外科クリニックになります。
取り出すだけだったらドクターの上手い下手はあまり関係がないので、大手とかなら費用も30万円前後で済む可能性があります。
同時に脂肪豊胸を希望する場合は、シリコンバック取り出し代に脂肪豊胸代がプラスされることになります。
シリコンバックを取り出したら、バストはどうなる?
取り出すのはいいけれど、取り出すだけだとどうなるかというと・・・
①バストがしわしわになり下垂する
取り出すシリコンバックの大きさにもよりますが、いきなり200cc以上のボリュームがなくなるので、しわっぽくなり、かなり下垂したおばあちゃんのようなバストになります。
②バストがえぐれることもある!
実はシリコンバックは入れている時も大きさが小さくならないと思っている人がいますが、実は肋骨も押されてつぶれ、丁度地盤沈下したようになります。ということは、すり鉢のように凹むというか、えぐれるわけですね。
以上から、よっぽどのことがない限りシリコンバックを取り出したままでいいという人はおらず、同時に脂肪豊胸手術を受ける人が後を絶たないわけです。
写真は、シリコンバック除去直後のバストの様子です。(これから脂肪注入をする、その直前です)誇張ではなく本当に肋骨がえぐれてるのがわかりますか?また皮膚も伸びて弛んでますよね? シリコンバックを取り出しただけではこのままのバストになってしまいます。
シリコンバック取り出しと同時脂肪豊胸手術の難易度は?
ただ脂肪をバストに注入するだけで、脂肪でバストの形をつくらないのなら、それなりのシリコンバック摘出の経験や脂肪豊胸手術の経験があれば、まあそれ程難しくはないかもしれません。
この場合、基本バストの形は作っておらず、ただ脂肪を胸部に注入しているだけなので、
”シリコンバック摘出と同時脂肪豊胸は、皮膚が伸びている分バストも膨らみやすいのでラク!”
とか仰るドクターが多いのですが・・・。
自分は全然そう思いません!
写真のようにバストの修正が必要(左がシリコンあり。右がシリコンを取り出し脂肪で新たに形を作ったケース)であることが多々あるので、バストをしっかりと作り込む技術がなく脂肪を注入するだけでは、シリコンが脂肪に変わっただけでバストの形はヘンテコのままです。
それでは折角手術する意味がないので、通常の脂肪豊胸手術の
バージスラインをつくり変える技術、
外乳をつくって丸いバストをつくる技術、
下乳を伸ばしてセクシーなバストをつくり乳首が上を向くような技術
などを総動員しないといけないのですが、シリコンが入っているとそれが十分に出来ないこともあるのです!
では、どのような条件がシリコンバック取り出しと同時脂肪豊胸が難しくなっていくか解説しますね。
シリコンバック豊胸の脂肪再建を難しくする条件
以下、列挙していきましょう!
①シリコンバックが250ccを超えるような大きいの場合、脂肪の定着量の上限を超えているので、脂肪豊胸をしてもサイズ的に1カップ以上小さくなりますから、2回以上脂肪豊胸手術をして初めて綺麗なバストになっていきます。
②シリコンバックが5年以上とか長い年月入っていた場合、先程の写真のように肋骨が凹んでいることが多いので、バストの地盤沈下した状態から脂肪注入をスタートしますから高さを出しにくいです。やはり満足したバストになるには脂肪豊胸を2回とか必要になることもあります。
③シリコンバックの位置が不自然な場合、脂肪をその通りに注入するとヘンテコになるので大変です。特に無理して下乳を伸ばそうとしたのかシリコンバックが下過ぎる場合、それよりバージスラインは頭側に作らないとバストのバランスが悪くなりますが、これが一番難しいです。
④シリコンバックの挿入した層が乳腺下(大胸筋膜下を含む)場合、大胸筋下の場合より形を作るのが難しくなります。理由は脂肪でバストの形をつくるためには乳腺下が大事なのですが、そこに脂肪を注入出来ないことにより、かなり形を作りにくくなります。
以上をまとめると、シリコンバック取り出しと同時脂肪豊胸手術は、
比較的難易度が低いのが、シリコンバックが200cc未満で挿入していたのが数年、バックの位置も正常な位置にある大胸筋下の場合、ということになります。
逆に一番難易度が高いのが、シリコンバックが250cc以上で10年以上入っており、下乳が下に伸びすぎて不自然な位置にある乳腺下の場合、ということになります。
あと本当は
⑤シリコンバックが安物の場合、カプセルがシリコン表面にぴったりとくっつき摘出に難渋するケースもあります。
しかし!
シリコンバック豊胸と同時脂肪豊胸手術、もしくはシリコンバックを挿入していた経験がある人の脂肪豊胸手術は、もっと難渋するケースがあるのです!
シリコンバックを挿入していた過去は、バックを取り出しても絶対に消えない!
シリコンバック摘出は、通常はカプセル(被膜)は摘出せずにシリコンバックだけを摘出します。これは無理してカプセルも一緒に摘出すると出血をして危険だからです。
そうするとカプセル(被膜)は残ったまま脂肪注入を行っていくことになりますが、これの何がいけないのか?
シリコンバック豊胸のリスクで、カプセル拘縮というのを聞いたことはありませんか?
カプセル(被膜)がアレルギー反応などで硬くなり、ボール状に小さくなることがありますが、これが脂肪豊胸の術後に起こることが散見されます。(写真はシリコンバックでカプセル拘縮を起こしたもの。このようにボールの様に変形し縮こまってきます)
これが起こると、せっかく脂肪で丸くぷりーんと大きく膨らましても、戻りが大きくでてバストが大きくなり難いことがあります。
酷いと被膜の跡や元のアンダーなどが浮き出てきてダブルになることもあり、修正を余儀なくされることもままあります。(何度も言いますが、これは脂肪豊胸をただ注入するだけの、輪郭を変えずに皿形のバストをつくるだけでは起きないですから、ある意味ラクですね)
これは、バスト内部に被膜があった場合は共通して起こる現象なので、実はヒアルロン酸豊胸の既往がある場合でも、同じようなことが起きることがあります。
このように、ヒアルロン酸が無くなってしまえば大丈夫とか、シリコンバックを取り出してさえしまえば大丈夫とかではないんです! 一度それらで手術した過去は決して消えないのです!
ですから綺麗なバストをつくりたければ、最初から脂肪豊胸にするのが一番!
勿論、BANNAI式オリジナル3D注入法でね✨
このコラムを監修したドクター
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
-
1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任