シリコンバック豊胸について
豊胸手術とは?
天然の巨乳の方たちは、自前の乳腺(母乳をつくる組織)の成長がよく、乳腺が大きいのでおっぱいが大きくなっています。
それに対し、栄養状態や生活習慣、遺伝的素因など様々な要因で自前の乳腺が十分に大きく成長しないと、俗にいう貧乳とか微乳とかになり、人によってはそれが原因で悩み傷つくエピソードを経験し、バストに対してコンプレックスを持つようになってしまいます。
この状況に対し、自前の乳腺は小さいけれど代わりのものを乳房に挿入すればバストは大きくなる、ということで種々の豊胸術があります。(自前の乳腺を成長させるというのは一見聞こえがいいですが、不用意に女性ホルモンで刺激するので乳がんのリスクが上昇するのでお勧めしません!)
例えばヒアルロン酸を注入してその体積でバストを大きくするのがヒアルロン酸豊胸(確実性、安全性などの理由により、現在ではヒアルロン酸豊胸は学会から事実上の禁止勧告がされてますよ)、
脂肪を注入してその体積でバストを大きくするのが脂肪豊胸(ただし脂肪豊胸の最高レベルでは注入する脂肪の容量で大きくするのではなくBANNAI式オリジナル3D注入法など、テクニックで大きくするのです)、
生理食塩水バックやシリコンバックなど人工乳腺を挿入してバストアップするのがインプラント豊胸ですが、最近の人工乳腺は殆どがシリコンバックになってしまったので、インプラント豊胸は殆どシリコンバック豊胸と同じ意味になります。
シリコンバック豊胸の種類について
シリコンバック豊胸の種類について解説します。
まず複数のメーカーからシリコンバックが何種類も発売されています。現在は殆どがコヒーシブシリコンという種類のジェルを入れたもので、モティバ(エルゴノミクスやエルゴノミクス2)、メスモ、ベラジェル、セレフォームなど、毎年のように新型が発売されています。(しかし、改良新発売と言っても結局は所詮バックですから、個人的には50歩100歩で、どれもあまり大差はないと思います)
これらの種類のバックをバストに挿入するのですが、挿入する傷口が腋の下から入れるか、乳房下溝から入れるか?という方法があり、またシリコンバックを挿入する層として乳腺下、大胸筋膜下、大胸筋下という3パターンがあります。
こんなに選択肢があって選ぶのが大変!と思うでしょうが、現実的には一人で事前に決めず主治医の先生と相談して決めることになると思います。
シリコンバック豊胸のメリット
①1回の手術で確実に大きく出来る!
シリコンバックは入れる大きさによって1回の手術で2カップでも3カップでも大きくすることが出来ます!
②(1回の手術としては)比較的安い
シリコンバック豊胸はバックの挿入だけですから、その購入原価はありますが相場としては脂肪豊胸よりも安いです(が、ここに落とし穴もあります)。
(脂肪豊胸の場合は購入原価はないものの、脂肪吸引代と脂肪注入代の2つがありますから、時間も長時間になり、どうしても相場として高額になります)
シリコンバック豊胸のデメリット
②シリコンバックに寿命がある(効果が永久ではない)
一度入れたら一生そのまま持続する訳でなく、10年程度で入れ替えの必要が生じます。ということは、その時にまた手術代がかかることの方が多く、メリットのところで言って比較的相場が安いと言っても10年ごとに手術代がかかることが多いですので、コストは長い目で見る必要があり注意が必要です。1回の手術料金だけで判断すると後悔することもあります!(こうなるとメリットの比較的相場が安いというメリットも吹き飛んでしまいます)
一度入れたら一生そのまま持続する訳でなく、10年程度で入れ替えの必要が生じます。ということは、その時にまた手術代がかかることの方が多く、メリットのところで言って比較的相場が安いと言っても10年ごとに手術代がかかることが多いですので、コストは長い目で見る必要があり注意が必要です。1回の手術料金だけで判断すると後悔することもあります!(こうなるとメリットの比較的相場が安いというメリットも吹き飛んでしまいます)
③破損することがある
最近は大分シリコンバックの被膜が丈夫になったようですが、それでも破損のリスクはあるため、強い衝撃などは避けなければいけません。日常生活ではあまりないかもしれませんが、例えば乳がん検診でマンモグラフィーは破損してしまうリスクがあるので受けられないことが多いです(一応、シリコンバックを受けていてもマンモグラフィーOKというクリニックもありますが、その後に破損してしまい取り出しに来たケースもあります)
⑥肋骨が変形することがある(その結果シリコンバックのおっぱいも小さくなる=効果は永久ではない)
特に大胸筋下法の時に多い印象があるのですが、数年以上シリコンバックを入れていると肋骨がシリコンバックの形に凹んでいることがよくあります。写真はシリコンバック取り出し直後の写真です。特に向かって左がわかりやすいのですが、肋骨が凹んでいるのがわかりますか?
実はおっぱいの地盤沈下が起きる訳で、一番凹んでいた例は、片側100ccの脂肪を注入してようやく平らになったケースもあります💦
ということは、例えば300㏄のシリコンバックを入れた当初は300㏄分大きいのですが、時が経つと200㏄のシリコンバックを入れたのと同じ感じになるんですね。
このように、シリコンバック豊胸は脂肪と違い定着しなくて吸収されるということはないのですが、地盤沈下を起こしておっぱいが小さくなることはよくあるのです。
⑧発がん性がある
数年前にシリコンバックの発がん性が指摘されました。BIA-ALCL(悪性のリンパ腫)やBIA-SCC(皮膚がん)が報告されています。
シリコンジェルが原因と考えられていますが、バックが破れていなくても生じたケースがあったり、厚労省の認可を取っていたバックでさえ自主回収になったケースもありますから、安心できません!
自分がシリコンバック豊胸をしない最大の理由はこの発がん性です!
この問題が解決しない限り、近い将来シリコンバック豊胸はなくなってしまうのではないか?と予想していますが、患者さんの健康と安全が最優先とは限らないのがこの世の常なので、手術を受ける側が正しい情報と知識を得る必要があると考えています。
やっぱり安心・安全は脂肪豊胸
このコラムを監修したドクター
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
-
1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任