エビデンスで考える脂肪豊胸における最適な注入量
果たしてどのくらいの注入量が、リスクを最小限にして最大の豊胸効果を発揮できるか?
出来るだけ大きくしたいから、入れれるだけ沢山の脂肪を注入することの是非は?
1回でできるだけ大きくしたいのが人情ですから、なるべく沢山の脂肪を注入したい気持ちはわかりますが、闇雲に入れればいいというものではありません!
実際に脂肪を注入した量と定着した量に関係があるのか、数百人のデータを解析したところ…。
図のように
注入した量と定着した量には全く相関関係がありません
でした!(相関係数R=0.014)
言い換えると、
きちんとした注入量でも定着する人は定着しますし、許容限界を超えて注入しても定着しないものは定着しない
のが脂肪豊胸のエビデンスなのです!
ここがわかっていない人(患者さんは勿論、美容外科医も含めて)はインスタ映えだけを狙って大量注入した脂肪豊胸の術後早期の手術に誘蛾灯に集まる蛾のように群れて手術を受け、結局しぼんでしこりだらけのバストになってしまうのです!
脂肪豊胸手術とは脂肪の移植手術であり、1回で定着できる量には限界があるのです!(限界はグラフの青い部分。大体70ccちょっとが定着量の平均ですね)
ひょっとすると残るかもしれないし、とりあえずダメ元で入れちゃえーと行きたいところですが(グラフの右のようになり、青い部分は変わらずグレーが増えるということ)、
定着できなかった脂肪が石灰化して大きなしこりになったり、そこまで行かずともオイルで残ったりしますし、酷いと脂肪壊死を起こして熱を出して感染したようになり折角入れた脂肪を掻き出さなければいけなくなるなどトラブルの原因になるので、基本的に脂肪豊胸手術で入れ過ぎは御法度なんです。
(明らかに脂肪を入れ過ぎてバストを大きく見せかけているケースも散見しますが、そんなことして集客するのはよくないですよー)
それで昔から、安全なのは片側200〜250cc程度と言われていますが、果たして本当なのでしょうか?
体格差や注入の仕方の違いもあったりしますから、海外のデータをそのまま日本人に当てはめられるとも限らないので、
やはり日本人のデータを、しかも術者による差を最小限にするために、同じドクター(さらに欲を言えば美乳をつくれるドクター)のデータが欲しいところです。
ということで、リアル脂肪豊胸クリニックで、脂肪豊胸のリーディングクリニックである当院が、世界に先駆けて?データをまとめてみました!(他院ドクターも患者さんも参考にしてくださいね)
日本人の大多数の人の定着量は135cc以下
定着量の平均は70ccちょっと
ですが、そのバラツキをみてみると図のような感じになります。
グラフを見ると
大体の人が定着量が135ccまで(定着率でいうと64%前後です)
(こうしてみると平均値の倍近く定着している人も結構いる!が、それ以上はかなり珍しい!
なんのエビデンスもなく”定着率70%”とか言って集客してる輩に騙されてはいけませんよ!最後は、”定着率は個人差です!”と言われ、サイズ保証もなくジ・エンドですよ!
また残念ながら定着が悪い人も散見され、やはりサイズ保証がないとドブ銭になるリスクがあるのが脂肪豊胸ですね。よくサイズ保証がないクリニックで手術しますねー)
それ以上は個人差で、たまたま定着がよかった人とか、体重を頑張って増やした人とかのレアケースですから、
135ccを超えて脂肪を注入するということは、先程のグレーの部分が増えること=しこりのリスクがあがる
ことを意味します。
ということは、135ccに出来るだけ近い注入量でバストを膨らますことが出来れば、
殆どの人に対して定着限界以上の量を注入した
ことになり、注入量として不足はないことを意味します!
実際には、定着率が90%ということもないので、135ccより少し多めの150cc前後が最適かと考えます。
まとめ① しこりのリスクを抑える点でも定着できる限界からでも、最適な注入量は片側150cc程度!
バストを十分に大きくできる脂肪の量はどのくらいか?
それじゃ、しこりのリスクを抑えて安全に脂肪を注入するには、
脂肪の注入量を135ccまででやめればいいじゃん!
(これよりも、もっと少ない量なら、仮に定着が悪い人でもしこりのリスクを減らせてもっと安心)
ということですが、ここで大きな問題があります。
脂肪を135cc程度の注入にしたら、十分にバストを大きくすることができるドクターがいない!😅
これは困りました! 豊胸術なのに全然バストが大きくならない!
しこりのリスクを抑えるために135ccで注入をやめました
って言っても、患者さんは絶対に納得しないでしょう!
だから、”全然大きくなっていない!”とクレームを言われないように、ついついドクターは多めに脂肪を入れる傾向があります。
量さえ注入してれば、大きくなっていなくても
”きちんと片側〇〇cc入れました!これ以上は限界ですから!しこりをつくりたいんですか?”
と言われれば、渋々納得するような…?(あなたは納得します?)
だから未だに注入量が300ccが横行しているような気もしなくもないです。
でも、本当にそれでいいですか?
5D注入法なら、135cc程度でも210cc以上入れたかのように十分大きくできる!
一般的な脂肪注入の場合
実はかなり注入法が上手くならないと出来ない話なのですが、脂肪の注入量を減らしてもバストを大きくすることが可能なんです!
この説明の前に、まず一般的な脂肪豊胸では、写真のようにデコルテを中心に層状に注入します。
層状に注入するので、バストの高さがまるで出ません!
またバストのフレームを作れませんから、下乳や外乳の丸い膨らみが出ませんので、四角いバストになり、全然おっぱいらしさも出ませんし、大きく見えません!
これで本当に豊胸術なのか・・・?
これでは何回かに分けて何百cc注入しても、巨乳感はゼロです。
例えば先日、他院で4回もこの方法で脂肪豊胸をし、合計片側830cc以上注入したのにバストに高さがでていない!と、ご来院された方がいらっしゃいました。
他院で4回も脂肪吸引をしているので残った脂肪も少なかったのですが、
自分が片側130ccずつ 5D注入法 で手術したら、たったこれだけの脂肪の量でも下乳・外乳・高さと3拍子揃って修正でき、大満足された
というエピソードもありました。
830cc vs 130cc でも130ccの方がバストアップ感あり!
5D注入法の大勝利の瞬間です!
このように脂肪豊胸手術は注入量ではないのですよ!
5D注入法(3D注入法の進化版)の場合
自分の行う、かつての3D注入法や5D注入法(3D注入法の進化版)では、
注入する脂肪の量でバストを大きくするわけではない
ので、より少ない脂肪でも効果的に下乳・外乳・高さを作り、バストを大きくすることが出来ます!
注入法開発の歴史としては、まずかなり以前の話ですが、自分が大手所属で片側300ccずつ注入しているのが全盛だったころ、3D注入法を開発・開始し、その70%の210cc程度でも300ccの注入量に負けない大きさと美しさのバストをつくることが出来るようになりました。
その後長らく3D注入法でしたが、密かに研究・研鑽をして、現在は5D注入法と呼べるものに進化しました!
これは従来の3D注入法で片胸210ccが必要だったものが、5D注入法では、さらにその70%の150cc程度でも、3D注入法と同じ大きさ・フレームのバストを作れるようになったんです!
未だに注入技術を磨かず多量の脂肪注入をしているドクターが片側300cc注入していますが、自分は現在その半分の150ccずつでも十分大きく魅力的なバストを作る技術を体得できました!
これは技術というのか、ある意味特殊技能の域の注入法です!
3D注入法までは自分の曲がったカニューレ(エンジェルカニューレといっています)を使い、センスがある人であれば教えると会得できると思いますが、5D注入法はなかなか伝授することができないかもー?
5D注入法は、そのくらいの自分専用の特殊技能なんです!
まとめ② 5D注入法なら、片胸150cc でも十分に大きくて魅力的なバストをつくることができる!
以上で最適解が出ましたね!
脂肪豊胸手術で最適な注入量は、片側135cc。余裕をもって150㏄。
ただし通常この量では全然バストが大きくならずクレームの嵐になってしまうので不可能なんですが、
自分の5D注入法であれば、135cc に限りなく近い注入量でも十分大きなバストをつくることが出来る!
つまり、
5D注入法で脂肪豊胸手術の最適な注入量として、片側135〜150cc程度で美乳をつくることが、業界最高峰のレベル!
ということです。
そうすれば、必要な脂肪の量も従来の半分で済みますから、
他院で断られた痩せ型でも脂肪豊胸ができるし
他院で1回が限界かな?という人でも2回脂肪豊胸ができますし
ダウンタイムも抑えられますし
従来よりしこりのリスクも抑えられる
と、少ない脂肪で美乳をつくれるということのメリットは計り知れないのです!
このコラムを監修したドクター
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
-
1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任