豊胸手術と乳がん検診(しこり・石灰化)
豊胸手術を受けると、乳がん検診が受けられなくなる?
豊胸手術といっても、主に①シリコンバック豊胸、②ヒアルロン酸豊胸、③脂肪豊胸の3種類の豊胸手術がありますが、どれも同じではなく、豊胸後も乳がん検診が受けられる豊胸手術と、受けられなくなる豊胸手術があります。
また、乳がん検診までいかなくても、胸部レントゲン写真でバレてしまうので健康診断が受けられなくなることもあります。
乳がん検診の種類は?
まず乳がん検査の種類には、①マンモグラフィー、②超音波検査(エコー検査)、③触診、④CT検査、⑤MRI検査などがありますが、スクリーニングでは①マンモグラフィーか②超音波検査(エコー検査)と③触診でチェックをすることが殆どで、③CT検査や④MRI検査は、スクリーニングで引っかかった場合により詳しく検査する目的で使用することが多いです。
①マンモグラフィーとは、バストをギューっと板で挟んで乳房を数センチまで薄くしてレントゲンを撮る乳がん検査です。
バストをそれだけ薄く挟むので、痛みはありますし被曝もします。石灰化などは検出しやすいですが、数ミリ程度の小さいしこりは検出し難いという弱点もあります。
②超音波検査(エコー検査)は胸にジェルを塗り、プローべを当てて乳房を見る乳がん検査です。レントゲンではありませんから被曝もしませんし、数ミリの病変でも検出することが可能ですが、検査には時間がかかります。
豊胸後に乳がん検診が受けられない豊胸手術は?
シリコンバック豊胸は、原則マンモグラフィーをするとシリコンバックが破損してしまうので、豊胸後にマンモグラフィーは受けられなくなります。市区町村の乳がん検診はマンモグラフィーと触診のことが殆どなので、シリコンバック豊胸を受けた人は市区町村の乳がん検診は受けられなくなると思った方がいいでしょう。
また、職場の健康診断などの胸部レントゲン検査もシリコンバックがまん丸い形でバッチリ写ってしまうので、職場の人たちにバレたくない場合は健康診断も受けない人が殆どのようです。
豊胸後でも乳がん検診が受けられる豊胸手術は?
ヒアルロン酸豊胸と脂肪豊胸は、マンモグラフィー挟んでも破損することはないので受けられると思いますが、ヒアルロン酸豊胸したばかりでマンモグラフィーで強く挟むと、ヒアルロン酸が刺入部から出てきそうな気もしたり、変形・偏移しそうな気もます。
脂肪豊胸も、強い外力で挟むマンモグラフィーは、定着がある程度終了した手術後3ヶ月以降がおすすめです。脂肪豊胸は自分の脂肪という組織なので、石灰化したしこりができない限り、マンモグラフィーや胸部レントゲン写真ともに映ることはないので安心です。
石灰化=悪性化?
石灰化とは、体内のカルシウム分が沈着した時に起きることで、石灰化が起きていれば必ずしも悪性というわけではありません。例えば良性の乳腺症とかでも乳腺の石灰沈着がみられることもありますし、豊胸後の石灰沈着(良性)としては、シリコンバック豊胸後の被膜にも起きますし、脂肪豊胸やヒアルロン酸のしこりにも起きることがあります。
よって石灰化を必要以上に怖がる必要はありませんし、石灰化は脂肪豊胸にだけ起きるものでもありません。ましてや脂肪豊胸手術でバストが岩になることなんてありません。
豊胸後に乳がん検診は受けた方がいいの?
乳腺組織があるということは、豊胸手術を受けても受けていなくても乳がんができることはありますので、定期的に乳がん検診を受けることをおすすめします。
とくに豊胸後にしこりが出来た場合、自分で勝手に判断して ”どうせ豊胸のしこりだろう!”と放置すると進行してしまいますから、その場合は早急に手術を受けたドクターに相談したり、乳がん検診を受けに行って下さいね。
このコラムを監修したドクター
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
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1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任