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脂肪豊胸前のPCR検査・血液検査は必要?事前検査の内容

2025年12月21日

脂肪豊胸を受けたいけれど、どんな検査が必要なのか不安に感じている方は多いのではないでしょうか。手術前の検査と聞くと「費用が高そう」「検査で引っかかったらどうしよう」といった心配が出てくるのは当然のことです。

しかし、事前検査は安全な手術を実現するための必須プロセスです。この記事では、脂肪豊胸前に行う検査の種類から目的、費用、検査で異常が見つかった場合の対応まで、網羅的に解説します。正しい知識を持つことで、不安を解消し、安心して手術に臨むことができます。

脂肪豊胸で行う事前検査の種類

脂肪豊胸の手術前には、患者様の健康状態を正確に把握するため、複数の検査を実施します。クリニックによって検査項目は若干異なりますが、一般的には以下の4つが基本となります。

血液検査(必須)

血液検査は脂肪豊胸前の検査で最も重要とされています。血液を採取して分析することで、貧血の有無、肝機能・腎機能の状態、感染症の有無などを総合的にチェックします。

特に脂肪豊胸では麻酔を使用するため、肝機能や腎機能が正常に働いているかを確認する必要があります。また、B型肝炎やC型肝炎、梅毒、HIVなどの感染症検査も同時に行われるのが一般的です。

  • 一般的な血液検査項目:貧血、白血球数、血小板数
  • 生化学検査:肝機能(AST、ALT)、腎機能(クレアチニン)、血糖値
  • 感染症検査:B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV

血液検査は手術の約1〜2週間前に実施され、結果が出るまで3〜7日程度かかります。

PCR検査(状況により)

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、多くのクリニックでPCR検査が導入されました。ただし、すべてのクリニックで必須というわけではなく、クリニックの方針や患者様の状況によって実施の有無が異なります。

PCR検査を実施する主な理由は、手術中や術後の院内感染を防ぐためです。無症状の感染者が手術を受けた場合、医療スタッフや他の患者様への感染リスクが高まります。

  • PCR検査のタイミング:手術の2〜3日前
  • 結果判明までの期間:24〜48時間
  • 費用:5,000円〜15,000円程度(クリニックにより異なる)

最近では、ワクチン接種証明書や陰性証明書の提示で代替可能としているクリニックも増えています。

心電図・胸部レントゲン

脂肪豊胸では全身麻酔または静脈麻酔を使用するため、心臓や肺の状態を確認する検査が必要です。心電図では不整脈や心臓疾患の有無を、胸部レントゲンでは肺の状態や心臓の大きさを確認します。

特に以下のような方は、心電図・胸部レントゲンが必須となる場合が多いです。

  • 40歳以上の方
  • 心臓疾患の既往歴がある方
  • 高血圧や糖尿病などの持病がある方
  • 喫煙習慣がある方

これらの検査で異常が見つかった場合でも、専門医の診断を受けて治療することで手術が可能になるケースもあります。

尿検査

尿検査では、腎機能や糖尿病の有無をチェックします。尿中のタンパク質や糖、潜血などを調べることで、腎臓の働きや代謝の状態を把握できます。

特に糖尿病がある場合、術後の感染リスクが高まるため、血糖値のコントロール状況を確認する必要があります。また、腎機能が低下していると麻酔薬の代謝に影響が出る可能性があるため、事前の確認が重要です。

  • 検査項目:尿タンパク、尿糖、潜血、尿比重など
  • 所要時間:5分程度
  • 結果判明:当日〜翌日

なぜ事前検査が必要なのか?3つの理由

「検査が面倒」「追加費用がかかるのが嫌」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、事前検査には明確な目的があります。ここでは、事前検査が必要な3つの理由を詳しく解説します。

手術・麻酔のリスク回避

脂肪豊胸では麻酔を使用するため、患者様の体が麻酔に耐えられるかどうかを事前に確認する必要があります。特に肝機能や腎機能が低下していると、麻酔薬の代謝がうまくいかず、術後の回復が遅れたり、副作用が出やすくなったりします。

また、心臓疾患や呼吸器疾患がある場合、麻酔によって症状が悪化するリスクもあります。事前検査でこれらの異常を発見することで、麻酔の種類や量を調整したり、専門医と連携して安全対策を講じたりすることが可能になります。

  • 麻酔のリスク要因:肝機能低下、腎機能低下、心臓疾患、呼吸器疾患
  • リスク回避策:麻酔方法の変更、麻酔量の調整、専門医との連携

感染症予防

脂肪豊胸では体内に脂肪を注入するため、感染症のリスクを最小限に抑えることが極めて重要です。B型肝炎やC型肝炎、HIVなどの感染症がある状態で手術を行うと、医療スタッフへの二次感染や術後の重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

事前の感染症検査で陽性が判明した場合でも、適切な治療を受けてウイルス量をコントロールできれば、手術が可能になるケースもあります。また、感染症の有無を知ることで、手術中の感染対策をより厳重に行うことができます。

  • 検査対象の感染症:B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV
  • 陽性の場合の対応:専門医への相談、治療後の再検討

術後トラブル予防

事前検査では、血液の凝固機能も確認します。血液が固まりにくい体質の場合、手術中や術後に出血が止まりにくくなり、血腫(内出血)が起こるリスクが高まります。

また、貧血がある場合、手術による出血で症状がさらに悪化し、術後の回復が遅れる可能性があります。事前に貧血を発見して鉄剤などで改善しておくことで、手術のリスクを大幅に減らすことができます。

  • 血液凝固機能の検査項目:血小板数、PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
  • 貧血の基準値:ヘモグロビン値が12g/dL未満(女性の場合)

各検査項目の詳細と基準値

ここでは、血液検査で具体的にどのような項目をチェックし、どの数値が問題となるのかを詳しく解説します。

血液検査でチェックする項目

血液検査では、主に以下の項目を確認します。これらの数値が基準値を超えている場合、再検査や精密検査が必要になることがあります。

検査項目基準値異常時のリスク
ヘモグロビン(Hb)12〜16g/dL(女性)貧血、術後回復遅延
AST(GOT)10〜40U/L肝機能障害、麻酔リスク
ALT(GPT)5〜45U/L肝機能障害、麻酔リスク
クレアチニン0.4〜0.8mg/dL(女性)腎機能低下、麻酔リスク
血糖値70〜109mg/dL(空腹時)糖尿病、感染リスク増加
血小板数15〜35万/μL出血リスク増加

これらの数値は、日本臨床検査医学会が定める基準値を参考にしています。ただし、基準値をわずかに超えているだけでは手術不可とならないケースも多く、医師の総合的な判断が重要です。

感染症検査の内容

感染症検査では、以下の4つのウイルス・細菌について調べます。これらの検査は、患者様本人の健康管理だけでなく、医療スタッフの安全を守るためにも重要です。

  • B型肝炎(HBs抗原):肝炎ウイルスの一種。陽性の場合、肝炎の活動状況を確認
  • C型肝炎(HCV抗体):慢性肝炎や肝硬変の原因。陽性の場合、専門医への相談が必要
  • 梅毒(RPR、TPHA):性感染症の一種。陽性の場合、治療後に手術可能
  • HIV(HIV抗体):免疫不全を引き起こすウイルス。陽性でも治療によりウイルス量をコントロールできれば手術可能

これらの検査で陽性が出た場合でも、必ずしも手術が不可能というわけではありません。専門医と連携して適切な治療を受けることで、手術を受けられるケースも多くあります。

基準値を超えた場合の対応

検査で基準値を超える項目が見つかった場合、以下のような対応が取られます。

  1. 再検査:一時的な体調不良の可能性もあるため、数日後に再度検査
  2. 精密検査:異常の原因を詳しく調べるため、専門医療機関を紹介
  3. 治療後に再評価:薬物療法や生活習慣の改善で数値を正常化してから手術を検討
  4. 手術方法の変更:麻酔の種類を変えたり、手術時間を短縮したりして対応

多くのクリニックでは、患者様の健康状態を最優先に考え、無理に手術を進めることはありません。安全に手術を受けられる状態を整えることが、最も重要だと考えられています。

PCR検査は必須?クリニックによる違い

PCR検査の実施については、クリニックによって方針が大きく異なります。ここでは、それぞれの考え方と実際の対応を解説します。

PCR検査を必須とするクリニック

一部のクリニックでは、すべての患者様に対してPCR検査を必須としています。その主な理由は以下の通りです。

  • 無症状感染者による院内感染の防止
  • 医療スタッフの安全確保
  • 他の患者様への感染リスクの最小化
  • 万が一感染が判明した場合の早期対応

これらのクリニックでは、手術の2〜3日前にPCR検査を実施し、陰性が確認できた場合のみ手術を行います。検査費用は5,000円〜15,000円程度が相場で、手術費用とは別に請求されることが一般的です。

不要とするクリニックの判断

一方で、PCR検査を必須としないクリニックも増えています。その理由は以下の通りです。

  • ワクチン接種が普及し、重症化リスクが低下した
  • 症状のある方には事前に受診を控えてもらう対応で十分
  • 検査費用が患者様の負担になる
  • 検査のタイミングによっては偽陰性の可能性もある

これらのクリニックでは、カウンセリング時に体調や接触歴を詳しく確認し、必要に応じて抗原検査やPCR検査を推奨する形を取っています。

当院の対応

当院では、患者様の状況に応じて柔軟に対応しています。具体的には以下のような方針です。

  • ワクチン接種証明書をお持ちの方:PCR検査は原則不要
  • 発熱や咳などの症状がある方:手術延期をお願いし、回復後に再検討
  • 濃厚接触者に該当する方:PCR検査または抗原検査で陰性確認後に実施
  • ご希望の方には任意でPCR検査を実施(費用別途)

患者様の安全と安心を第一に考え、状況に応じた最適な対応を心がけています。ご不安な点があれば、カウンセリング時に遠慮なくご相談ください。

検査費用と所要時間

事前検査にかかる費用と時間について、具体的に見ていきましょう。

検査費用の相場

脂肪豊胸前の事前検査は、基本的に保険適用外の自費診療となります。クリニックによって料金設定は異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

検査項目費用相場
血液検査(基本項目)5,000円〜10,000円
感染症検査3,000円〜8,000円
PCR検査5,000円〜15,000円
心電図2,000円〜5,000円
胸部レントゲン3,000円〜7,000円
尿検査1,000円〜3,000円
合計10,000円〜30,000円

多くのクリニックでは、血液検査と感染症検査をセットにして10,000円〜15,000円程度で提供しています。PCR検査や心電図は、必要に応じて追加するシステムが一般的です。

また、他の医療機関で受けた検査結果(3ヶ月以内)を持参することで、検査費用を節約できる場合もあります。事前にクリニックに確認してみましょう。

検査結果が出るまでの期間

各検査の結果が判明するまでの期間は以下の通りです。

  • 血液検査:3〜7日(検査機関による)
  • 感染症検査:3〜7日(血液検査と同時)
  • PCR検査:24〜48時間
  • 心電図:当日(その場で判定)
  • 胸部レントゲン:当日〜翌日
  • 尿検査:当日〜翌日

血液検査の結果が出るまで約1週間かかるため、手術希望日の2〜3週間前には検査を受けることをおすすめします。余裕を持ったスケジュールを組むことで、万が一再検査が必要になった場合にも対応できます。

検査当日の流れ

検査当日の一般的な流れは以下の通りです。

  1. カウンセリング(30〜60分):医師が健康状態や既往歴を確認
  2. 採血(5〜10分):血液検査・感染症検査のための採血
  3. 尿検査(5分):専用カップに尿を採取
  4. 心電図(10分):必要に応じて実施
  5. レントゲン(10分):必要に応じて実施
  6. 説明(10〜20分):検査の目的や今後の流れを説明

所要時間は全体で60〜90分程度です。カウンセリングと同日に行うことが多いため、初回来院時に2〜3時間程度の余裕を持っておくと安心です。

デメリット・リスク

事前検査にはいくつかのデメリットやリスクも存在します。ここでは正直にお伝えします。

検査で異常が見つかる可能性

事前検査の結果、予期しない異常が見つかるケースがあります。例えば、自覚症状のなかった貧血や肝機能障害、感染症などが判明することがあります。

このような場合、患者様にとっては「手術が延期になる」というデメリットがある一方で、「重大な病気を早期発見できた」というメリットにもなります。実際に、事前検査で糖尿病や甲状腺疾患が見つかり、適切な治療を受けられたケースも多くあります。

  • 手術延期になる可能性のある異常:重度の貧血、肝機能障害、腎機能障害、未治療の糖尿病
  • 治療後に手術可能になるケース:軽度の貧血、肝機能の一時的な上昇、血糖値のコントロール

異常が見つかった場合でも、多くは治療や生活習慣の改善で対応可能です。医師と相談しながら、安全に手術を受けられる状態を目指しましょう。

追加費用が発生する場合

事前検査で異常が見つかった場合、再検査や精密検査が必要になり、追加費用が発生することがあります。

  • 再検査:3,000円〜10,000円(検査項目による)
  • 精密検査:5,000円〜20,000円(専門医療機関での検査)
  • 専門医の診察:3,000円〜10,000円(初診料)

また、治療が必要になった場合は、その治療費も別途かかります。ただし、これらの費用は健康保険が適用されることがほとんどです。

予想外の出費になることは確かですが、安全な手術のためには必要な投資だと考えましょう。多くのクリニックでは、検査結果を丁寧に説明し、今後の対応について一緒に考えてくれます。

検査結果の有効期限

事前検査の結果には有効期限があります。一般的には以下の通りです。

  • 血液検査・感染症検査:3ヶ月以内
  • PCR検査:2〜3日以内
  • 心電図・レントゲン:6ヶ月以内(クリニックによる)

検査から手術までの期間が空いてしまうと、再検査が必要になります。これは、体調や健康状態が変化している可能性があるためです。

手術の日程が決まったら、検査のタイミングも逆算して計画することが大切です。また、体調不良などで手術日を変更する場合は、検査の有効期限にも注意しましょう。

よくある質問

事前検査に関して、患者様からよく寄せられる質問をまとめました。

Q1: 生理中でも検査は受けられる?

血液検査は問題なく受けられますが、尿検査は正確な結果が出ない可能性があるため、できれば避けた方が良いでしょう。

生理中の尿検査では、血液が混入して「尿潜血陽性」という結果が出てしまうことがあります。この場合、再検査が必要になり、時間と費用が余計にかかってしまいます。

どうしても生理中に検査を受ける必要がある場合は、事前にクリニックに相談してください。生理の影響を考慮した上で、適切な時期に再検査をスケジュールしてくれます。

Q2: 他院の検査結果は使える?

3ヶ月以内の検査結果であれば使えることが多いです。ただし、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 検査項目がクリニックの要求する内容と一致している
  • 医療機関発行の正式な検査結果(コピー可)
  • 検査日が明記されている
  • 患者様の氏名・生年月日が記載されている

他院の検査結果を持参する場合は、カウンセリング予約時に必ず伝えてください。事前に確認することで、足りない検査項目だけを追加で受ければ良いケースもあります。

ただし、PCR検査は有効期限が短いため、ほとんどの場合、新たに受ける必要があります。

Q3: 検査で異常が出たら絶対手術できない?

決してそんなことはありません。検査で異常が見つかっても、多くの場合は治療や改善策を講じることで手術が可能になります。

例えば、以下のようなケースでは、対応後に手術を受けられることが多いです。

  • 軽度の貧血:鉄剤を服用して数値を改善
  • 肝機能の一時的な上昇:アルコールを控える、休養を取るなどで改善
  • 血糖値の異常:食事療法や薬物療法で血糖値をコントロール
  • 感染症陽性:専門医と連携して適切な治療を実施

重要なのは、異常を見つけて適切に対処することです。検査で問題が見つかった場合でも、医師は患者様の希望を尊重しながら、最善の方法を一緒に考えてくれます。

「検査が怖い」と感じる必要はありません。むしろ、安全に手術を受けるためのサポートだと考えてください。

まとめ

この記事では、脂肪豊胸前の事前検査について詳しく解説しました。重要なポイントは以下の3つです。

  1. 事前検査は安全な手術のための必須プロセス:血液検査、感染症検査、必要に応じてPCR検査や心電図などを実施し、手術のリスクを最小限に抑えます。
  2. 検査費用は10,000円〜30,000円が相場:クリニックによって項目や料金は異なりますが、3ヶ月以内の他院の検査結果が使える場合もあります。
  3. 異常が見つかっても対応可能:多くの場合、治療や生活習慣の改善で手術を受けられる状態になります。医師と相談しながら進めましょう。

脂肪豊胸を安全に、安心して受けるためには、事前検査をしっかりと受けることが大切です。検査の目的や内容を理解することで、不安も軽減されるはずです。

次のステップとしては、信頼できるクリニックでカウンセリングを受けることをおすすめします。検査の詳細や費用、スケジュールについて、医師に直接確認することで、より具体的なイメージが持てるでしょう。

当院では、患者様一人ひとりの健康状態に合わせた丁寧な検査と説明を心がけています。事前検査についてご不安な点があれば、遠慮なくカウンセリング時にご相談ください。あなたの理想のバストを、安全に実現するお手伝いをいたします。

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