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定着率を良くする方法 術者編④

定着率を良くする方法の続き

4.一度に入れる脂肪の量は、片側200~250㏄にする(入れ過ぎない!!)

でしょうか?


最近はあまり見かけなくなりましたが、

”コンデンスリッチ豊胸は定着率が(平均)80~90%!”

という記載ですが、そんなバカな(笑)。

これは恐らく、

動物実験で1㏄注入した場合、体積や重量が何%残っていたか?

を計測したデータを基にはじき出されたもので、顔の脂肪注入のように極少量ならあてはまるかもしれませんが、脂肪豊胸のように片側200㏄以上注入しても90%も残るようなラッキーなことはないでしょう!

ただ当院は、下乳や外乳の形にこだわるだけでなく、200㏄以上注入しても定着率が平均75%越えを目指して、日々創意工夫を重ねています!!


それで何度も拝借している2016年の美容外科学会での報告ですが(伊藤先生、ありがとう~!)、

片側200㏄注入したら、9カ月目の定着量は140㏄くらい(定着率でいうと70%くらい)
片側300㏄注入したら、9カ月目の定着率は120㏄くらい(定着率でいうと40%ですね)

このように欲張って注入しても、

”一度に定着できる脂肪の量には限界がある!”

これがサイエンスでありエビデンスな訳で、高い定着率を維持したかったら入れ過ぎない!(片側200~250㏄程度で止めておく)

というのが大事になります!


”それでも、入れられるものならたくさん入れて欲しい!私は残る気がするしー!”

という方、高~い確率で、しこりが出来ますよ・・・。脂肪吸引時の不純物(=アキ―セルでないとピュアグラフトでろ過しても除去出来ない)もそうですが、定着できなかった脂肪(=溶解してオイルになることが多い)もしこりの原因なので!

例えば、片側200㏄の時には注入脂肪200㏄-残存脂肪140㏄=60㏄のオイルが出来たことになりますが、大体は貪食細胞に分解吸収されてなくなります(術後数か月かけて小さくなっていく理由の一つですね)。

方や片側300㏄の時には、注入脂肪300㏄ー残存脂肪120㏄=180㏄で脂肪を100㏄余分に注入しただけで、120㏄もしこりの原因のオイルが多く出来てしまいますね。

リスクを感覚で言うと、片側200㏄の時がオイルの生成60㏄に対し、片側300㏄の時が180㏄ですから、リスクは3倍ですね・・・。(厳密ではなく感覚ですが)

ですから、片側200㏄程度でもいかに大きく、かつ綺麗な形を作るか?ここが豊胸専門の美容外科医の腕の見せ所になる訳で、その命題の答えが、BANNAI式オリジナル3D注入法になる訳です!

ということで、高い定着率を目指し、かつ合併症を減らすには、一度に入れる脂肪はセーブする必要があるわけで、知識があるお客様として(体格にもよりますが)片側300㏄も注入されたら、それは決して”たくさん入れてもらった!”と喜ぶことではなく、”しこりを作る気?”と怒るべきことなんですけどねー。

こういったことが常識になるように、どんどん情報を発信していきますよ。

このブログを執筆したドクター

院長 坂内誠
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長 坂内 誠

保有資格

医学博士/美容外科専門医

経歴

  • 1995 新潟大学医学部医学科卒
    新潟大学医学部附属病院 外科勤務
  • 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
  • 2001 同上卒 医学博士取得
  • 2006 大手美容外科入職
    都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録
  • 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任

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