曲がったカニューレを使うだけでは、3D注入法にはならない!① 脂肪豊胸手術のレベル0について
自分が10年以上前から行い2019年に学会でも発表してから、とくに最近、
見様見真似
で
曲がったカニューレ
を使って脂肪注入しているところがあるようですが、それ自体は自分も否定しませんし、優れた注入の仕方を取り入れようとすることは大事だと思っています。
(また自分が学会発表してから
”下乳の大事さ”、
”バージスラインを作り込むことの大事さ”
に気づいたドクターもいて、
糸でバージスラインを作る方法
とかが登場したことも、業界が発展するキッカケが出来て嬉しいとさえ感じます)
しかし、単純に曲がったカニューレを使えば自分と同じ結果になる訳ではないことは、述べておきますので一般の方は誤解のないようにしてくださいね。
自分も脂肪豊胸手術を行い15年近く経ちますが、自分が若手だった頃も思い出しながら、解説しますねー。
①レベル0 脂肪を注入しても、高さが出ない!
”え?脂肪を注入するんだから、それで高くならないってことある?”
と思うかもしれませんが、これが事実です!
”じゃ、入れた脂肪はどこに行っちゃうの…?”
と思うかもしれませんが、ちゃんとバストにあるとは思いますが…💦
それでも膨らまないとは、どういうこと?
理由は、まず
●注入する"場所"を間違えていること!
例えば、本来乳腺が存在しないデコルテに盛り盛り脂肪を入れても乳首の位置(バストトップ)は殆ど高くならず、
皿形のバストにしかならない
ですよ。
限られた脂肪を広い範囲で入れれば、山が高くならないことは自明の理ですよね?
次に、
●注入する"層"を間違えていること!
人間の体は、膜というか層構造で出来ており、正しい層で注入しないと、そこが剥がれない(剥離されない)ので、高さも出ません!
例えば、バストで脂肪を注入できる層は皮下、乳腺下、大胸筋内がメインですが、ここを意識して正しく剥離操作しないと、いくら脂肪を入れても高くならないのです!
例えば、ホテルの洋室に宿泊する時を思い出してみてください。
ベットのシーツがぴったりと覆われていて、そのままではなかなか身体が入らないですよね?
しかし、一度バサっとシーツを捲れば、身体も楽に入りますよね?
バストへの脂肪の注入も、それと同じなんです!
慣れてないドクター、もしくは正しい位置に注入できないドクターは、
このシーツを捲ることと同じことが出来ない
ので、そのままベットに入ろうとすることになります。
そうすると皮膚と脂肪のどちらが硬いかと言えば…。
もちろん皮膚ですよね?
ですから、
シーツを捲れない状態で一所懸命に脂肪を注入しても、皮膚の硬さに負けて脂肪があるにもかかわらず、膨らんで来ない
んですね💦
そうすると、
パンパンに詰め込んでも膨らまない
↓
詰め込むから内圧が上がり脂肪が死ぬ
↓
定着率が悪くなり、バストが高くならない(というか、そもそも手術直後から高くなっていない💦)
という、恐ろしい結果になります。
ね?このように脂肪豊胸手術というのは、入れれば大きく出来るような、簡単な手術ではないのですよ!
このブログを執筆したドクター
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
-
1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任