COLUMN

〜医師監修〜脂肪豊胸に関するコラム

脂肪豊胸の値段の内訳

価格は安ければ安い方がいい? 適正価格とは?

買い物でもなんでもそうですが、消費者の心理としては、”出来るだけいいものを出来るだけ安く” 手に入れたいですよね? 私も一消費者として、よーっくわかります!

それで脂肪豊胸手術の値段になると、なにがなにやら、さっぱりわからない・・・。

オプションとかもどれが必要でどれが必要ないか、果たしてその価値があるかも、よく分からない・・・。

という声をカウンセリングでよくお聞きするので、今回は脂肪豊胸の値段について解説いたします!

脂肪豊胸手術の内訳

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まず脂肪豊胸のステップを考えますね。大きく分けると

①麻酔、②脂肪吸引、③脂肪の処理、④脂肪注入、⑤定着率向上などのオプション

があります。これらと価格について見ていきましょう。

①麻酔

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脂肪豊胸の麻酔にも色々あります。

一番痛みが取れて行えるのは全身麻酔ですね。これは麻酔科ドクター人工呼吸器が必須となりますから初期投資や麻酔科ドクターの給与など維持費が高くなりますね💦

その分は勿論、手術料金に上乗せされることになります。相場としては税抜き20~30万くらいはかかるのが普通です。

また、麻酔科のドクターがいるから安心かどうかは話が別で、一般論として全身麻酔のリスクが高いから術中の全身管理を専門にみる麻酔科ドクターが必要な訳なんですよ。

てことは、全身麻酔を選択しなければ麻酔のリスクは下がる訳で、しかも脂肪豊胸程度では全身麻酔をしなくてもオペが出来ちゃいますから!

ということで、脂肪豊胸手術で最も多いのは(特に麻酔科医が必須というわけでなく)静脈麻酔で行いますね。相場としては税抜き5~10万くらいです。

ただし、静脈麻酔というのは鎮静がメインで、十分に痛みを取ることが出来ず、途中で目が覚めたら痛くて怖い思いをすることもあるので、鎮痛作用のある薬剤も併用する必要があります。まぁこれも含めて静脈麻酔といっていますが、これだと副作用で吐き気が出ることも多く、その場合は別の方法でより強い鎮痛作用の麻酔を使用することも出来ます。

それが写真のような硬膜外麻酔です。これは特に麻酔科医でなくても出来ますが、手術と同じで上手い下手がでてしまいますから、どの美容外科医でも出来る訳ではありません。

相場は税抜き5~10万くらいですね。

ちなみに当院の脂肪豊胸の麻酔は全身麻酔ではなく硬膜外麻酔+静脈麻酔をしていて、込み込みで税抜きモニター価格10万ですよ。

②脂肪吸引

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脂肪吸引も多岐に渡っていますが、脂肪豊胸の原則はシリンジ法です(写真)。

これは脂肪細胞が空気に触れると酸化して傷んでしまうので、その結果定着率が下がる恐れがあるからです。

それならシリンジ法なら何でもいいやー、というと絶対にそうではなく、

カニューレの穴のサイズにも配慮しないといけません!

吸引孔が大きければ採取する脂肪の塊も大きく、脂肪以外の繊維などの不純物も多く混入してしまうのでしこりになりやすいですから!

(ただし、オペの料金を下げてチャチャっと手早く終わらせるには、カニューレの穴は大きくないと脂肪級の時間がかかり難しいので、安く脂肪吸引をしているところは大なり小なりこんな感じです)

あとは吸引圧にも配慮しないといけないですね。

折角シリンジ法をしているのにバキューム圧を上げて吸引すると、脂肪はかなり傷みますから定着率が下がり、なんのためにシリンジ法にしているかわからなくなります!(多分、自分でわかっていないんでしょうね💦)

大体こういうところって、

”脂肪吸引にこだわっても意味がない!脂肪吸引の機械なんて新型かどうか関係ない!なにでやっても同じ!”

と訴えてますよね。

このようなところではその分、設備費用にはお金もかからないから安価に脂肪吸引ができるかもしれませんが、

手術を受ける側としてこのような大事なことがわかっていないところで手術を受けるのか?ということですね・・・。

この辺りは、例えばお弁当などの食事でもそうでしょう?

ワンコイン弁当!みたいな感じで出来るだけ安くしても利益が出せるように、成長ホルモンまみれの安い輸入肉や魚を使用し、残留農薬が多い野菜やお米を使い、猛烈に安さをアピールして食の安全を無視するか?

身体想いのこだわり弁当!みたいに無農薬野菜や無農薬米を使用し、肉類も飼料に遺伝子組み換えを使用していない国産肉を使用したお弁当を提供することで食べる人の食の安全を重視するか?

この差と同じだと思うんですよねー。

勿論、安さに突っ走ってもニーズがあう方もいらっしゃるでしょうが、でも脂肪豊胸手術は大事な身体にメスを入れる医療行為ですから、安さだけもとめて適正価格って言われても、ねぇ?

シリンジ法単独で行う脂肪吸引代の相場は、15~40万くらいのようです。

ちなみに当院では何部位でも税抜きモニター価格+10万でシリンジ法にランクアップすることが出来ます。

脂肪豊胸の脂肪吸引については、こちらもご覧くださいね。

脂肪豊胸手術の脂肪吸引はシリンジ法が原則!しかしシリンジ法も正しく使わないと意味がない!

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その他、脂肪吸引としてはベイザー(ウルトラZ)アキ―セルなどがあります。(写真右がアキーセルの先端。穴が小さく不純物の吸引も少ない

まずベイザーはそれ自体で脂肪吸引するのではなく、脂肪吸引部に超音波を照射して脂肪をほぐすのがメインの役目で、これにより

痩せ型の人でもより多くの脂肪細胞を吸引出来る

ようになります!

実は、ベイザーにはこの他にも脂肪豊胸のレベルが高い人(レベル3)には他にも恩恵があり、自分の脂肪豊胸としてはベイザーは必須アイテムとなっています!

このベイザー脂肪吸引の料金ですが、相場として1部位税抜き20万くらいが多いですね。当院はZプラスとしてモニター価格なら+10万です。

じゃ、ベイザーも使った方がいいんだねー?というと、これもただ使えばいいという訳ではないのです!

ベイザーの出力を上げると脂肪吸引は使わない時より多く吸引出来ますし手術時間も短くできますが、移植する脂肪も熱で死んでしまいますから脂肪の定着率が落ちてしまいます!

シリンジ法でもそうですが、ただベイザーを使うか?使わないか?とい”う二元論で単に考えるのではなく、”正しく使うと恩恵がある!”ということなんです!


次にアキ―セルは(きちんとこの機器の性能を引き出すことが出来れば)内出血や痛みはもちろん、採取した脂肪へのダメージもベイザーのみの時よりも少なくすることが出来る感じです。

ですから脂肪豊胸の脂肪吸引にはアキ―セルが最適かも?と自分は考えていますが、実はそのままの使用法ではアキ―セルにも落とし穴があるんです!

アキ―セルを使えば脂肪を傷めないように吸引できますが、それだけでは簡単に脂肪の定着率の向上にはつながらないですよ!

こちらもアキ―セルを使うか?使わないか?という単純な二元論ではなく、アキ―セルを上手く使いこなす経験と知恵が必要(詳細は自分の経験で企業秘密♡)なんですねー!

ちなみにアキ―セル脂肪吸引1部位の相場価格は、30~50万くらいで、当院もモニター価格なら30万ですが2部位目は半額の15万くらいになります。

ベイザーもアキ―セルも使った方がいいが、ただ使えばいいのではなく、大事なのは脂肪豊胸用に適した使い方を知っているか?ということ

③脂肪の処理 (ろ過や遠心分離など)

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脂肪の処理としてメジャーなのは、ピュアグラフトコンデンスリッチの2つですね。(”そのままが自然で一番!”とかいってなんにも処理しないところもあるそうですが、自分はそうは思いませんけど・・・💦 この場合の相場は税抜き15~35万くらいです)

まずピュアグラフトは、採取した脂肪組織を2層構造のメッシュつきのバックに入れて洗浄し不純物を除去するもので、脂肪の濃縮はしません。

価格は税抜き30万~50万くらい(場合によってベイザー不使用の単純な脂肪吸引代込みのところもある)のようです。

次にコンデンスリッチは、採取した脂肪を遠心分離すると同時に余分な水分や不純物を分離するというものです。(写真)

特に余分な水分を除去できますから、脂肪にコシがでてつぶれにくくなりますから、バストのように立体的な形をつくるにはコンデンスした脂肪の方が仕上がりはいいです!

またコンデンスして定着率が上がるか?というと一概にそうとも言えず、ただ水分を除去してコンパクトにした分バストに脂肪組織を多く入れられるだけな氣もします。

よってバストの輪郭をくっきりと作りこむことが出来、バストの高さを出せるレベル3のドクターの場合は、コンデンスリッチした恩恵を十分受けることができますから、自分はコンデンスリッチ豊胸一択です!

これに対し、皿形のペターっとしたバストしか作らないドクターで手術を受ける場合は、コンデンスするかしないかを論じるのは意味がないと考えています。

コンデンスしたからといって不純物の除去や定着率の向上はさほどでもないですし、仕上がりが皿形のバストなら元々仕上がりが立体的じゃないわけですから。

価格は税抜きで50~80万くらいで、これにベイザー脂肪吸引1部位込みだと100万前後になることが多いですね。

当院はモニター価格だと税抜きで55万です。(脂肪吸引代は別)

コンデンスリッチとピュアグラフトに関しては、こちらもご覧くださいね。

コンデンスがいいかピュアグラフトがいいか、それ程違いがないので血眼になって検討するのはあまり意味がない!

④オプション

カニューレ先端
脂肪豊胸手術には、お客様のニーズに応えるため様々なオプションがあります。

①注入法のオプション
 
コールマン式注入法・・・しこりの発生を少なくするためのもので、これを使っても仕上がりの形がよくなるわけではなく、相場は税抜き8万くらいです。
 
BANNAI式オリジナル3D注入法・・・外乳や下乳の変化も自由自在!バストの輪郭をくっきり&バストの高さも出せる唯一仕上がりの形をよくする注入法!写真右側の曲針を使用します。

しかし、カニューレの使い方を知らないとなーんにも出来ません。和多志が考案し現状自分しか使いこなせません。よってオペレーターが自分以外では、つけるだけ無駄なドブ銭オプションになります。相場はモニター価格で税抜き15万くらいです。

3D注入法に関しては、こちらもご覧くださいね。

②定着率向上オプション

培養幹細胞・・・自分の脂肪組織を少量採取し、それを数カ月培養・増殖させて脂肪に混和させると脂肪の定着が向上し持続効果も伸びると期待されている再生医療の治療ですがー。

クリニックによって幹細胞の数もまちまちですし、コンデンスリッチ同様、巷に知れ渡っているよりは効果は限定的なので、サイズ保証もなくにただつけるだけだったらドブ銭オプションになる可能性があります。

相場は80~100万くらいです。当院は税抜き100万ですが、安心のサイズ保証(2カップ以上)がついています!これも価値からすると適正価格ですね!

リジェネラ・・・脂肪吸引の時に開けた穴から自分の真皮を採取し細かく砕くと活性化して成長因子を出す特徴があり、これを脂肪に混ぜると不思議と定着率が向上します。相場は最近性能が上がってきて、個人的には培養幹細胞より信頼しています!

相場というか現在当院でしか行っていないようで、税抜き35万くらいです。これを用いたシルバーセットであれば1.5カップ保証があるので安心です!

まとめ

以上から脂肪豊胸にかかる値段をまとめると

最安値に挑戦するパターン1の見積もり
①ささっと静脈麻酔(と局所麻酔)のみで簡便に行う 5万
②ベイザーもなにも使わない昔ながらの脂肪吸引 15万
③コンデンスもせず、取ったままで脂肪の処理をしないでバストに注入 15万
④定着率や仕上がりにこだわらずただ入れるだけ。何もオプションを付けない 0万
以上、合計35万ポッキリ!で脂肪豊胸ができる~!って怖くないですか?

大手だと、レジデントが脂肪豊胸手術の習得するためのトレーニング用の内容で、大して大きくもならないでしょうし、まぁ確かにある意味、適正価格ですね。(この内容で100万以上取ったらぼったくりです!)

これに対し、普通にベイザー併用コンデンスリッチ豊胸をする時のパターン2の見積もりは
①静脈麻酔で10万
②ベイザー併用し20万
③コンデンスリッチすると50万
④オプションなし 0万
合計税抜き80万くらいからベイザー併用コンデンスリッチ豊胸を受けれるクリニックが見つかると思いますがー。

最高級のパターン3の見積もりになると

①硬膜外麻酔+静脈麻酔でしっかり寝てしっかり除痛する 10万(もし全身麻酔なら20万)
②ベイザーとアキ―セルのダブル併用をシリンジ法で身体へのダメージと脂肪へのダメージをダブルで最小限にする 10万+30万+10万
③3D注入法で立体的に作ったバストをつぶれにくくするためにコンデンスにする 50万
④半永久的にもつ綺麗な仕上がりのために3D注入法 15万+半永久的な定着率向上にリジェネラ 35万1.5カップ保証付き(培養幹細胞100万2カップ保証付き
合計税抜き160万1.5カップ保証225万2カップ保証)になります!

大体こんな感じで脂肪豊胸の値段は決まってくるので、この辺りを相場と価格の仕組みと考えて頂けたらと思います。

脂肪豊胸の効果は半永久的なので、綺麗になったらそのまま美しく、ヘンテコになったらそのままヘンテコになってしまいますし、そしてなにより、ずーっとお付き合いする大切な自分の身体のことですから、安さに目が眩んで失敗して修正するとなるとまた余計にコストもかかるので、慎重に判断とリサーチをして満足のいく脂肪豊胸手術を受けて下さいね!

最後に一番大事なこと・・・

解説
ここまでで脂肪豊胸の価格とその仕組みについて解説してきたので、脂肪豊胸手術の価格の仕組みについて大分理解できたと思います。

カタカナが多いですし慣れない人はなかなか大変かと思いますが、何度でも読み返してみて下さいね。

では最後に、1つ問題をだします。ここまでそれぞれの価格につい書いてきましたが、

脂肪豊胸で一番大事なことって、なんだかわかりますか?

静脈麻酔にするか?全身麻酔にするか?でしょうか?

麻酔医がいるか?いないか?でしょうか?

コンデンスにするか?ピュアグラフトにするか?でしょうか?

脂肪吸引はベイザーを使うか?アキ―セルにするか?でしょうか?

培養幹細胞を使うか否か?でしょうか?


実は、脂肪豊胸の仕上がりにとって一番大事なことは、どれでもありません!

その答えは、

誰が手術をするか?

ということです!

これって結果に一番ダイレクトに影響し、今までの選択肢なんて吹き飛んでしまうくらい大事なことなのですよ!

それなのに、この”誰が手術をするか”って、殆ど価格に現れないでしょ?

ですから本当は、このドクターはレベル〇〇だから価格はいくらと言う風に決まり、手術の内容はそのドクターを信じて、そのドクターが一番いいと思う方法で手術する!

というのが一番適正価格に近しくなると思うんですねー。

まぁ、それでは現実問題なかなか価格が決められなくなりますし、不勉強なドクターやいい加減なドクターに当ると悲劇(そこも含めてドクター選び)ですから、あまり現実的ではないですが。

ただ真面目な話、当院は年間300件前後の脂肪豊胸手術をし、その10%以上の方が他院で手術した結果不本意で、その修正目的に手術をされています。

その中には

”先生に修正して貰えたから、いい勉強になったと考えます!”

とおっしゃる前向きな方もいれば、

”できるだけ安く手術をした方が得だと思ったけど、結局修正を余儀なくされ高くついてしまった・・・”

とかを日常目にしているのも事実です。

このような方に共通して言えるのは、価格やメニューを真剣に考える以上に、どのドクターを選んだらベストか?考えると、失敗する可能性がかなり下がったのではないか?と思う次第なんです。

このことも念頭に置いて、ぱっと見の値段だけを重視せず、是非後悔のない脂肪豊胸手術を受けて下さいね。


豊胸後に失敗した!と後悔しないために、はこちら

上手なドクターを選ぶポイント!、はこちら

このコラムを監修したドクター

院長 坂内誠
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長 坂内 誠

保有資格

医学博士/美容外科専門医

経歴

  • 1995 新潟大学医学部医学科卒
    新潟大学医学部附属病院 外科勤務
  • 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
  • 2001 同上卒 医学博士取得
  • 2006 大手美容外科入職
    都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録
  • 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任

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