ヒアルロン酸豊胸 学会がNO!
”乳房増大(豊胸術)にヒアルロン酸製剤注入治療は行わないことを強く推奨する”とのこと
9月に行われた美容外科学会で、表題のようにヒアルロン酸豊胸に対する治療指針が発表されました。
基本、自分も同じスタンスだったので特に驚きはないのですが、この扱いはアクアフィリングやロスデラインなどと同じく、実質 ”禁止したほうがいい!”という強い内容でした。以下、さらに詳しく見ていきますね。
①ヒアルロン酸豊胸の有効性は不明(効果が不確定)
ヒアルロン酸豊胸は時間と共に吸収され、吸収速度に個人差はあるものの吸収が早い場合は治療費が高くなるケースがある。
↑ まさにその通りで、1カップ以上しっかりと上がっているのは数ヶ月程度ですね。ヒアルロン酸豊胸のバストは感触も硬く、動きも悪いですし💦
あとヒアルロン酸豊胸後に、やっぱり脂肪豊胸手術をしたい!となれば、一度他院でヒアルロン酸豊胸の費用がかかっている上に、ヒアルロン酸
除去費用もかかってしまうケースもあり、それから脂肪豊胸手術の費用がかかるわけですから、治療費はかなり上がってしまいますね💦
②ヒアルロン酸豊胸の安全性を保証できない
乳腺下に注入した場合は比較的高率に被膜拘縮が生じ、反復するヒアルロン酸注入で炎症が起き、乳がんの発生率増加につながるのではないか?という懸念がある。また乳がん検診の妨げになる可能性も指摘されている。
↑ 確かにシリコンバック豊胸の場合だけでなく、ヒアルロン酸豊胸でも被膜の形成や被膜拘縮が起きているため、その後に脂肪豊胸手術をした場合にバストの伸びが悪いケースもありますね。
③承認品は存在しない
世界的に見ても承認品が存在しない状況で、FDA(米国食品医薬品局)は豊胸目的のヒアルロン酸材の使用を認めていない。
↑ そうですね…。以前アメリカの形成外科医と話した時に、ヒアルロン酸豊胸をしているなんてクレイジーだ!と言われてこともありました💦
以上からすると、学会から推奨される豊胸術は①シリコンバック豊胸か②脂肪豊胸の二択
ヒアルロン酸豊胸は学会が認めない危険な治療法だとすると、残る豊胸は①シリコンバック豊胸か②脂肪豊胸になりますが、
シリコンバック豊胸でも、BIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫といい、簡単に言うとバックが原因の悪性リンパ腫ですね)やBIA-SCC(乳房インプラント関連扁平上皮癌といい、簡単に言うとバックが原因の皮膚癌ですね)のリスクもゼロではないですし…。
また効果も永久ではなく10年ちょっとで入れ替えの必要があることや、感触や動きも不自然なことが多いですから、これらのことを総合的に考えると、自分はやはり脂肪豊胸一択!になります。
ちなみにですが、脂肪豊胸一択だとしても、どこで手術を受けても同じではなく、ドクターによって仕上がりは全く違いますし(症例写真で見比べべましょう)、またリスクもドクターによって違いますから(脂肪の大量注入をしてインスタ映えを追求しているケースでは、脂肪壊死や感染を起こして生命の危険に晒されることもあります!)、きちんとリサーチは大事ですよー!
このブログを執筆したドクター
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
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1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任