豊胸で1カップのサイズアップするのに何cc 必要か?
そもそも1カップってどのくらいの変化のこと? 1カップの定義とは?
よくカウンセリングの時に、お客様と希望のバストサイズについて話をします。
そうすると、
”現在Aカップなので、最低でもCカップになりたいです!”
とか、
"下着を買う時にDカップって言われてつけているけど、ブラを取ると、どう見てもAカップにしか見えないんです!"
など、サイズに関して色々な話がでてきます。
美容外科医をして15年程経ちますが、この ”1カップ”と言うのが曲者!
一応、1カップの定義としては、
”トップとアンダーの差が2.5cmが1カップ”
とされているので、
トップとアンダーの差が2.5cm増えると1カップアップしたことになる
のですが、ことは単純ではありません!
例えば、上の写真と下の写真の人は別人で、共にトップとアンダーの差は13cm と同じですが、どう見ても同じ大きさには見えないですよね…?
折角ですから、トップとアンダーだけでなく、もう少しバストのデータを詳細に見ていきましょうか?
同じトップとアンダーの差でも、横直径(+外乳)で9mm、下乳で7mmも違いがありますね。
また、同じCカップなのに体積差が約100ccもあります!
このように、トップとアンダーの差を見ただけでは、バストの様子が全然違います。
これは当たり前と言えば当たり前で、バスト(乳房)は3次元なんですから、トップとアンダーなど、たった2ヶ所スライスした情報だけでは、このように誤差が大きく出るのは当然なわけです!
やはりトップとアンダーだけ盲信しても無意味ですね…。
(実際に上の方はC70のブラをつけているそうですが、下の方はF70かE75をつけているそうです)
<まとめ>トップとアンダーの情報だけでは、乳房をきちんと評価できない!
”それじゃ、どうすすればいいの?”ということで、本来なら成長に合わせてバストが縦・横・高さ・体積がどの様に変化していくか(バストは自然に成長するにつれて写真の様な変化をするはずです)をリサーチしたいところですが、そんなデータを詳細に、しかも長期間かけて収集するなんて至難の業!(老舗大手の下着メーカーなら、データをお持ちかもしれませんが)
そこで苦肉の策で代案を考えました!
各人のバストの形やサイズが千差万別でも、それなりの人数の方のデータをサンプルとして解析すれば近似直線をひくことができ、1カップアップした場合などの標準的な乳腺の変化が予想できるのではないか?
それでトップとアンダーが2.5cm変化する(1カップ変化する)時に、実際にバストの縦径、横径、体積がどのように変化するかがみれるのではないか?
ということで、とりあえず100人ちょっとでやってみました!
<まとめ> 1カップアップとは、乳房の体積が65ccアップしたときのこと!
”じゃ、ヒアルロン酸なり脂肪なりを65cc注入すれば、1カップ上がるんだ〜!”
というのは早計です!
皮膚の中に注入しても、それがダイレクトにバストのサイズ変化につながる訳ではないのです。
ヒアルロン酸なり脂肪を注入しても、まだ少量の段階では皮膚の伸縮で吸収されますから、初めは変化がよく見えないものです。
それがある程度注入した段階で、バストの増大が目に見て取れるようになりサイズアップしていくんです。
例えば、僕らの世代だと子供の時にビーチボールを手動ポンプで膨らました経験があるのですが、若い皆さんは経験がありますか?
初めビーチボールがしわしわの状態では、ポンプで空気を注入しても、なかなか膨らんだのが実感出来ないですよね?これホントに空気入ってる?って感じで(笑)。
それがある程度膨らんでくると、1回の空気の注入で1回分ずつ大きくなるのが目に見えて実感できる様になりませんでしたか?
ちょうどこれと同じ原理になります。
そんな例えではわからない。ジェネレーションギャップだ!と言われると困るので(笑)
そうだなー。妊娠出産したことがある女性向けの例えとして、妊娠して子宮が大きくなってきても、すぐにはお腹がでてこないですよね?
子宮の中に小さい生命が宿り、その生命とともに子宮が大きくなっても、すぐにはお腹が大きくならず、ある程度お腹の中で子宮が大きくなってから子宮の増大がお腹の増大に伴ってきますよね?
それと同じなんです。
これを表で表すと、こんな感じになります。
恐らく、最初の35cc程度で皮膚のたるみが取れ(それまではサイズ変化はわずか)、その後の65ccで1カップサイズアップ!
ですから、たまーに
”周りからバレないように少しずつ入れたいから、毎回20ccずつバストに注入したい!”
という人もいますが、見事の最初の2、3回は周りどころかご自分さえも殆ど変化がわからないということになります💦
よく、1カップアップするにヒアルロン酸100cc!(脂肪の定着も100cc?)と言われていますが、実際はこのように一次関数的に変化するものではないことはご理解下さいね。
ここでカンのいい方は、
”じゃあ、もう65cc、つまり合計165ccのヒアルロン酸で2カップアップ出来るかも〜”
と思うかもしれませんが、残念ながらもう乳腺下にはスペースが残っておらず、これ以上ヒアルロン酸を入れた分、うまく膨らんでいくことはありません。(ビーチボールが膨らみ切る直前の状態ですねー。それ以上入らないでしょ?)
注入するスペースは乳腺下でしょうから、いくら授乳歴があって皮膚がやわやわになっていても、そもそも乳腺下のスペースがないので…。
これを無視して注入し続けることも出来なくはないですが、ヒアルロン酸は注入後も定着せず体内を移動しますから十中八九、背中や脇腹など変な部位にヒアルロン酸が移動してコブのようになりますよ!
それではヒアルロン酸を皮下に!となるかもしれませんが、ヒアルロン酸みたいに硬い粒子のものを皮下に注入したら、見た目皮膚がボコボコになります(汗)。
この辺りは脂肪ならボコつかないで皮下にも注入出来ますから、それも脂肪豊胸のメリットの1つになります。(授乳後に見た目シワシワのバストの場合、脂肪豊胸ならそこに注入出来、改善することが可能!)
知ってました?ヒアルロン酸豊胸は、現在学会から中止勧告を受けているんです!
以上、新1カップの定義を始め、ヒアルロン酸豊胸(一部、脂肪豊胸)で1カップアップするにはどのくらいの量が必要なの?(脂肪豊胸の場合なら、どのくらい定着すれば1カップアップしてるの?)について解説しました。
しかし!
今回1カップアップと量をわかりやすく説明するということで、主にヒアルロン酸豊胸を例に出しましたが、ヒアルロン酸豊胸は全くオススメいたしません!
これは自分の意見というだけではなく、日本美容外科学会の方でも2022年の秋に
国際的に豊胸用のヒアルロン酸は認可品もなく、豊胸目的にヒアルロン酸製剤を用いることは推奨しない旨を公表しておりますので、ヒアルロン酸豊胸はしない方がいいですよー!
かといって発癌リスクもある異物であるシリコンバック豊胸よりは断然、自分の組織を用いる脂肪豊胸が安心安全で一番いいですね!(脂肪豊胸手術でも、倫理観のかけらもなく多量の脂肪注入をして脂肪壊死を起こしたりするケースもありますから、脂肪豊胸手術を選択すれば絶対安全とは言えないので、やっぱドクター選びが一番重要でしょ!)
このコラムを監修したドクター

銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
-
1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任