豊胸手術は妊娠・授乳(母乳)に影響するか?
妊娠・授乳(母乳)に影響がでる豊胸手術、影響がでない豊胸手術がある
思い切って豊胸手術をしてみたいと思っても、もしその後、妊娠・出産・授乳に支障が出るとしたら嫌ですよね?
ですから何も考えずに豊胸手術をしてしまったら、かなり後悔することになりかねません!
そこで豊胸手術では妊娠・出産・授乳に影響があるのか?あるとしたらどの豊胸手術か?問題ない豊胸の種類はなにか?解説しますね。
妊娠・授乳(母乳)に悪影響が出てしまう豊胸手術は?
結論から言うと、①アクアフィリング(ロスデライン)豊胸と②シリコンバック豊胸です。以下、解説しますね。
①アクアフィリング(ロスデライン)豊胸
もう数年前に美容外科学会から中止勧告を出された、いわくつきの豊胸で、自分が見聞きしたのはその中止勧告がでる前の時期ですね。
当時はヒアルロン酸より柔らかく、それでいて3年以上は効果が持続するという夢のような充填剤(異物)で颯爽とデビューしたのですが・・・。
トラブルが起きたケースでは、アクアフィリング豊胸後、まだ乳房内にアクアフィリングが残っている段階で妊娠し授乳しました。
そしてよくあることですが、母乳の出が悪くて乳腺炎が起きてしまい、その細菌性の炎症が乳腺周囲に広がった結果、異物であるアクアフィリングに感染を起こし、それが全身に及んで重症感染症にまで至ったケースがあったと聞いたことがあります💦(これはICUレベルで命にかかわります!)
原則、アクアフィリングなどの人工物(異物)は感染に弱く、一度感染してしまったら取り出さなければいけません!
しかし、アクアフィリングなどは注入すると身体の中で散らばってしまいますから、その感染を起こしたアクアフィリングなどを完全に取り出すことは不可能なんです!まさに覆水盆に返らず!
これはヒアルロン酸豊胸でも原則同じことが言えると思いますが、幸いというか持続がそれほど長くないのでヒアルロン酸の遺残が少なく、トラブルになりにくい可能性があります。しかし、ヒアルロン酸豊胸もアクアフィリング同様に学会から中止勧告がでてますよ!
(写真は体内にあったヒアルロン酸を摘出したところ)
もしアクアフィリングの持ちが悪くて妊娠出産までにある程度無くなっていれば、この様な重症にはならなかったのかもしれません…。
このようなケースもあり、アクアフィリング豊胸そのものがリスク大として学会から中止勧告がでているわけですから、もう現在では妊娠や授乳の予定がある内に関わらずやめたほうがいいです!
②シリコンバック豊胸
こちらはアクアフィリングとは違い影響が出るのは限られたケースです。
妊娠前にかなり大きめなバックを挿入したために、すでに皮膚がかなり伸びていた状態で、その後妊娠したら乳腺がかなり大きくなったそうです。
皮膚には伸縮性に限界がありますから、それを超えてしまった皮膚がもう伸びきってしまい、授乳が終わってまだシリコンバックが入っていたにも関わらず酷い下垂してテロンテロンのバストになったケースをみたことがあります。
とてもお気の毒なケースでした。
妊娠・授乳(母乳)に悪影響が出ない豊胸手術は?
はっきりと断言できるのは脂肪豊胸ですね。
やはりなんといっても自分の脂肪で豊胸しますから、先程のようなケースは起こらないですね。
この辺りからも、脂肪豊胸というのは安心・安全な豊胸手術だと言え流と思います。
また100%自分の組織の脂肪で豊胸するなら、シリコンやアクアフィリングなどの成分が母乳に移行して大事な赤ちゃんに影響が出ないかと心配する必要もないですし!
(その他のマイナーな豊胸術に関しては、自分もしないですし存じ上げません)
妊娠・授乳(母乳)に悪影響が出ないのも、やっぱり脂肪豊胸!
このコラムを監修したドクター

銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長
坂内 誠
保有資格
医学博士/美容外科専門医経歴
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1995
新潟大学医学部医学科卒
新潟大学医学部附属病院 外科勤務 - 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
- 2001 同上卒 医学博士取得
-
2006
大手美容外科入職
都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録 - 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任