COLUMN

〜医師監修〜脂肪豊胸に関するコラム

脂肪豊胸手術を受けて、なぜしこりが出来たのか?

”しこり”って?

ひとことで ”しこり” といっても、どんなものをイメージするのかは、人それぞれですねー。

一般に、硬い塊がしこりだと思うのでしょうが、しこりにも色々あります。

どうも、かなりごちゃ混ぜになっていると思うので、現段階でのしこりについて、まとめて分類してみますね。

しこりの分類の仕方

シリコンバック破損1
いろんな分類の仕方があると思うので、ざーっと分類してみます。(写真は破損したシリコンバックです)

良性のしこり悪性のしこり

良性は放っておいても大丈夫なしこり。放っておいても癌にはなりません!

ただ触ると氣になりますよね? 乳がん検診でも指摘されて面倒臭かったり💦 だから出来ないにこしたことはないですね。

これに対し悪性のしこりは、いわゆる癌で治療が必要です。

それで

脂肪豊胸で出来てしまう”しこり”は、良性

ですね。繰り返しますが、これが

悪性化して癌になることはありません!


シリコンバック=”しこり”も基本、良性

ですね。(後述しますが、シリコンバックも”しこり”なんですよ!)

ただ本来シリコンの成分に

安全性の観点から禁止した添加物が使用されていた

ことがあったり、そうでなくてもBIA-ALCLとかBIA-SCCといって

発癌することもあります

から、

シリコンバックなどの異物には健康リスクもあります!


液体のもの固形(半固形)のもの

中身が液体のしこりは嚢胞(のうほう)性、中身が固体のものが充実性ともいいます。

液体である嚢胞性は殆どが良性ですが、固形や半固形といった充実性のものは悪性のことがあるので精密検査が必要なこともあります

脂肪豊胸のしこりは、

きちんとした手術をしていればしこりが出来ないか、出来たとしても液体(オイルシスト)で、

もし不純物まみれの脂肪を大量に注入する酷い手術をされていれば、肉芽腫石灰化ができて固形半固形(ジェル状)

のしこりが出来てしまいます。

シリコンバック(=繰り返しますがしこりです!)は中身がジェルなので半固形

ですね。


③除去するのに切開が必要なしこりか、切開は不要なしこりか?

そもそも良性のしこりは治療しなくてもいいのですが、氣になる人などは除去することになります。

その場合、

メスで切開しないといけないケース

と、

メスは不要で、注射器などで吸い出して除去できるケース

に分かれます。


脂肪豊胸の場合、

キチンとしたオペをしてればしこりが出来ないか、出来ても液体の嚢胞性(オイルシスト)

なので

注射器で吸い出せば除去できるしこりで、あまり氣にしなくてもいい(一応)しこり

ですが、

不純物まみれの脂肪を大量に注入する脂肪豊胸で出来てしまったしこりは固形か半固形で注射器で除去できず、切開が必要

になり、これが

氣にしなくてはいけない正真正銘の脂肪豊胸によるしこり

だと思います!


このケースをセンセーショナルに取り上げて、

”脂肪豊胸はこーんなしこりになるからしこりが出来ないシリコンバックにしなさい!”

という風に使われてますね💦 

(いやいやシリコンバックも立派な”しこり”ですが!)

まぁ、そもそもは酷い脂肪豊胸手術をされなければいい話なんですがー。

では

シリコンバックという”しこり”

はどういうしこりかというと、注射器で除去できませんから、

切開が必要なしこり

になります!

このように色々な分類の仕方がありますねー

脂肪豊胸、シリコンバック豊胸、それぞれのしこりをまとめると?

シリコンバック破損2
脂肪豊胸の場合、2パターンのしこりがあります。

①良性で中身が液体の嚢胞性(オイルシスト)で、メスで切らずに注射器で除去できるもの(広義のしこり。しこりに混ぜるのもどうかというレベル)

②良性だが中身は半固体(ジェル状)か固体(肉芽・石灰化)で、メスで切開しないと除去できないもの(狭義のしこりというか正真正銘のしこり

シリコンバック豊胸の場合は

③一応良性(発癌性のリスクは完全に否定できないが)で中身は半固体のジェル状なので、メスで切開しないと挿入も除去もできないもの

ということになります。

段々わかってきましか?

現状、しこりが出来るリスクがゼロの豊胸手術はシリコンバックを含めてこの世に存在しない!

シリコンバック破損3
さてシリコンバックがしこりということについて深掘りしますが、

硬さを問わず生体内に異物があり、それが被膜で覆われたもの

が、いわゆる

”しこり”

ですね。柔らかい異物ならしこりとは認めないとか、そういう屁理屈はやめましょう。

さて

シリコンバックは中身が(硬いわけではなく)柔らかいジェル

というだけで、

体内でカプセル(被膜)に覆われた異物

であるので、やはりしこりなんです!シリコンバック豊胸は、開き直って

柔らかい異物(=しこり)で豊胸をしているもの

だと解釈できます!

つまり、

しこりが怖い!といってシリコンバック豊胸にするのは、完全な自己矛盾!なんです。

というならありですが、

シリコンバック豊胸こそ、100%しこりができる手術なのです!

いや、しこりで大きくする豊胸手術なのです!

これに対し、

脂肪豊胸の場合、定着しなかった脂肪が上手い具合にすべて吸収されてくれれば、”しこり”ゼロ✨

になる可能性がある豊胸手術なんです。


しかし、世の中絶対はありませんから、

②は絶対に避けて、①の可能性も極力下げたい

ところで、自分はそれを常に追い求めています!

(もし①も絶対に嫌!という人は、厳しい言い方になってしまいますが、もう豊胸手術は諦めた方がいい!でしょう…。

シリコンバック豊胸も含め、しこりのリスクゼロの豊胸は、この世に存在しないのだから…)

では、どの様にすれば②を避けて①のリスクも減らせるのか?

考えていきましょう。

しこりのリスクを下げる方法① 脂肪の大量注入をしない!(具体的には1回の注入は片胸180cc以下にする)

平均定着量のケース
定着しなかった脂肪が異物となりしこりとなる

のだから、 

定着限界以上に脂肪を注入しなければ、しこりになるリスクは減る 

はずですね。わかりますか? 

 グラフでいうと、 

定着量には限界があるので、注入する脂肪の量が増えれば増えるほど、しこりの原因となる死んだ脂肪組織の量が増える 

 ということですね。例えば 

片胸150cc注入の場合、しこりの原因になる死んだ脂肪は75ccで済みますが、 

片胸300cc注入した場合は、しこりの原因になる死んだ脂肪は225ccになりますので、 

リスクはおよそ3倍

に高まりますね! では、 

なぜ美容外科医は脂肪の大量注入をするのか? 

 それは、 

大量注入してがインスタ映えがした方が、写真にインパクトがあり、集客が楽になるから! 

 です! 

しこりのリスクは厭わず…。でもこれって、

近いうちに大量の脂肪壊死を起こして感染の様な症状がでてトラブルが起きるか、②のしこりが数年後にできる可能性が大 

ですよ! 

それでこの適切な注入量について、世界的にみてもきちんとしたエビデンスがなく、

なんとなく片胸250ccくらいかな?とか、

このくらいなら経験的に安心

とかで現在まできていますがー。
左胸 定着量のコピー4
自分が3Dスキャナーで集めたデータによるエビデンスだと、

片胸75ccくらいが平均定着量

で、

片胸135ccが一回で定着できる脂肪の限界

でした!

つまり、どんなに沢山脂肪を注入しても、定着できる限界が135ccということで、

片胸135cc以上は、すでに入れ過ぎの領域に突入します!


実は、片胸250cc以上なんて、既に入れ過ぎのレベルだったのです!

かといって普通は脂肪の注入量をある程度増やさないと肝心のバストが大きくならないことも考えると、

多めに見積もっても片胸180ccを超えたら入れ過ぎ

でしょうか?


つまり

しこりのリスクを上げないため、入れ過ぎにならない注入量とは、多めにみても片胸180ccまで

ということを推奨します!


ですから、例えば

片胸250ccとか300ccは入れないから入れ過ぎではありませーん!

というドクターは、

自分で入れ過ぎということに氣がついていない😭

ということになります💦


もう一度棒グラフを見てください。

平均定着量が75ccに対して、

片胸300cc注入するとしこりの原因の脂肪変性組織(しこりの素)は225cc

できますが、仮に

片胸150ccの注入で同じ大きさのバストが作れる様になれば、同じ脂肪変性組織のできる量(しこりの素)は75cc

単純にしこりのできるリスクが1/3になりますね✨


脂肪の注入量を減らして”しこり”のリスクを減らすといっても、

そんな少量の脂肪量でもキチンとバストアップさせること

なんて、できるわけないじゃない?

はい!それが

当院オリジナルの5D注入法なら可能

なのです!

少ない脂肪でもきちんと大きくできる技術経験がつまった業界唯一無二の注入法が5D注入法

これによって、

脂肪の大量注入によるバストアップ(パターン2)の方法はとらなくても、

しこりのリスクを上げずにバストを大きく立体的にすることが可能になりました!

自分の存在意義がここにあります😊
比較表
(注)今まで業界での手法は主に2パターンに分かれていた

パターン1しこりのリスクを抑えた注入の仕方

で4層に分層注入ミルフィーユ状にクレープを重ねる方法だが、

これでは何回手術を受けても巨乳にすらできない! それでは、なんのために手術を受けるの??

パターン2一見巨乳になるが(美巨乳かどうかは別)

いずれ殆どが吸収され元に戻るか、数年後に大きなしこりが出来やすい!

パターン2は、よく脂肪豊胸の失敗例として槍玉に上がる注入法

ですね。

自分が行うオリジナルの5D注入法は自称パターン5で😆、

従来のパターン1やパターン2とは一線を画した、しこりのリスクを抑えつつ最大限美乳にする方法! 

これを複数回受ければ、半永久的美巨乳への道が開かれます😊
三日月
こちらが1回目がBANNAI式オリジナル3D注入法約190ccずつ(当時はまだ多めでしたね)、2回目が5D注入法約125ccずつ注入して手術した方の変化です。

きちんと毎回バストのフレームが丸く広がって重要ポイント
美乳に仕上がってますよね?

注入量が減っているにもかかわらず!

このように

脂肪豊胸手術は脂肪の注入量で決まるのではなく、ポイントを抑えた注入技術で決まる

のです!

パターン1やパターン2のドクターでも、どうやってやればいいか、わかる人はいないんじゃないかなー?😊

しかもこの効果はシリコンバックの10〜15年と比べて、一応半永久的です。

しこりのリスクを下げる方法② できるだけ細いカニューレで注入する!

エンジェル・カニューレ
脂肪注入された脂肪組織は残念ながら、そのまま生きて定着するのではなく、例えば脂肪滴の

表面から1ミリまでしか生き残れず、あとは死んでしまいます!

ということは、

直径2ミリまでの脂肪の粒であれば、理論的には両面から血流が保たれ、すべて生着できる可能性があります

が、

直径3ミリであれば表面から1ミリずつは理論的には生着できるものの、

中心部の1ミリは壊死してしこりのリスクが高まってきます!

ですので、

注入するカニューレの細さが十分細いことが必須

で、

当院では業界最小の”2ミリ”のカニューレの内径で注入しています!

さすが脂肪豊胸専門クリニック! 

どこまでも知り尽くして、こだわり抜いています!

しこりのリスクを下げる方法③ 出来るだけ分散して注入する!(一塊に注入しない!)

スクリーンショット 2025-04-08 16.35.54
先程カニューレのところでお話しした通り、

脂肪注入とはミリ単位の繊細な手術

なのです!

それなのに…

表面から2ミリが生着の限界ということは、例えば

直径5cmの脂肪の塊

のように注入したら、表面から1ミリずつしか生き残らず、

残り直径4.8cmのエリアは脂肪壊死組織の塊

となりますから、

大きなしこり

になってしまうのです! 当たり前ですよね?


実はこの注入の仕方って、ある意味

ヒアルロン酸豊胸高さを出す時に行う注入の仕方と同じ

なんです。

一応ヒアルロン酸は無生物なので、血流の再開や生着するという概念は使わなくてもいいのですが、それでもこのような一塊に注入すると、写真の様に

立派なボール状にしこり

になってしまうことが多いですね💦

このように、

注入系ではヒアルロン酸だろうが脂肪だろうが一塊にして注入するのは御法度なのです!

それなのに、何故このような注入をしてしまうのか?

手術するドクターが知らない

か、もしくは

知っていたとしても

一塊に注入すると高さが出てインパクトのある症例写真がとれ、インスタ映えしやすいから楽に集客できるので!(患者さんの安全はどこに?

だから症例写真を見ないでオペを決めるのは論外ですが、症例写真が映えているからといって、注入量もチェックせず、それだけで決めるのも危険なのです!

脂肪豊胸手術では、安全に行う範囲では

どんなに名医がオペをしても1回で2カップは、なかなか上がらない

ですから!

現実を直視して、

1回で2カップも3カップも上がる

というフレーズを見たら、”あれ?”と思う感性は

危険を回避するためには何事も大事ですねー。

その点、パターン5である自分オリジナルの

5D注入法では、大体片胸110〜150cc程度でも、内部に直径2ミリの柱を立てるイメージで250ccのシリコンバックが入った様なフレームをつくれてしまう✨

ので、自分でもすごい!と思います😆

パターン5のオペができるドクターにとって、バストを大きくするのに大量の脂肪は要らない!

んですよ!この境地にくると!(まだ世の中には自分しかいませんが😅


これがパターン1やパターン2の現実を生きている人、その様な固定観念がある人には理解できず、

特にパターン1の人は、パターン2の方法しかバストに高さを出す方法を知らない💦ので、

パターン5もパターン2のように大きいしこりが出来ると勝手に勘違いしているんですねー。(迷惑な話です)
スクリーンショット 2025-04-08 17.36.22
それで分散注入する範囲ですが、一般の脂肪豊胸手術はパターン1もパターン2も、大体このエリアになります。

注入するエリアは確かに広いのですが、これでは解剖学的に間違っており、乳房ではなく胸板にしかなりません!

よって、こういう手術をすると、結果はこうなります。
スクリーンショット 2025-04-08 17.36.38
脂肪がたくさん注入できるから広い範囲に分散して注入するといっても、結果がこれでは意味ない!でしょう!

患者さんは美乳になりたくて豊胸手術を受けに来ているのですから!

ちなみにこれは、他院で脂肪豊胸を2回して当院に修正に来た方の写真です。

では正解はというと、こちら
スクリーンショット 2025-04-08 22.52.33
正常乳房が成長して膨らむのは下乳外乳の方向

なので、

外側と下側の三日月のエリアを大きくする様に注入範囲を広げて分散注入します!

その手術結果が、こちら
スクリーンショット 2025-04-08 17.36.59
これだと

注入位置を広げて分散注入する目的


美乳になる目的

が合致していますから、しこりを抑えつつ、きちんと美乳ができることになります!

大体この膨らませるエリアは、250cc程度のシリコンバックが入ったフレームになりますが、自分はこれを作るのに120〜130cc程度の脂肪で作ってしまいます!

ここがパターン2との大きな違いで、仮にパターン2の手術方法で同じことをしようとすれば、脂肪は300cc以上注入しないと再現不可能でしょう!

じゃ、みんなこうやってバストを作ればいいんじゃん!

となりますが、言うは易く行うは難し!

まず

これを知らない美容外科医が大半

ですし、いざやろうとしても

皮膚はアロンアルファでくっついている感じ

で、

ちょっとやそっと、曲がったカニューレを真似してそこに脂肪を注入しても、全然うまく膨らませることが出来ない

のですよ!

これが唯一自分だけ出来るので、脂肪豊胸専門でやっていけてるし、他院失敗例も修正出来るのです!

分層注入について

スクリーンショット 2025-04-08 17.36.38
分散して注入すると言うことに関して、

広いエリア(2次元)に注入する

ということをお話ししました。大事なことなのでもう一度繰り返しますが、かといって

乳腺は丸いのに、それを無視して鎖骨下のデコルテにまで広範囲に注入するのは論外!

です。

それでは

四角いシリコンバックを入れるようなもの!

だから従来の脂肪豊胸手術では、形がヘンテコになるのは写真のように容易にわかりますよね?


そして分散して注入するというもう一つの意味は、実は人体も3次元なので、

深さ(3次元)も分散して注入する

という考えがあるのです。

これは

しこりのリスクを最小限にする意味では間違っていない

ですが、

バストに高さを出して立体的にする(巨乳にする)には全く間違った考え方

です。

よく4層(皮下、乳腺下、大胸筋内、大胸筋下)に分層して注入する

とかがありますが(パターン1です)、脂肪注入の基本としてはありですが、

この注入の仕方だとクレープのように薄い層を何艘も重ねるだけなので、何回手術をうけても全くバストに高さがでません!

先程の注入エリアも胸板のように鎖骨下のデコルテまで注入していましたし、

本当にパターン1の方法は豊胸手術ではなく豊 ”胸 板” 手術なんですよ!

これに対しパターン2の方法は、4層に注入しているところもありそうですが、大体は皮下と、乳腺下一塊で注入してバストの高さを出すところが多いようです。

もちろん、自分は大きなしこりになるので、この方法も取りません!

自分だけが行なっているパターン5では、皮下乳腺下メインですが、特殊なオリジナルカニューレ(エンジェル・カニューレ)を使用することによって、パターン2の1/3程度の注入量でも大きく綺麗なバストをつくり(定着限界以下の注入量なので、それでもしこりのリスクは上がりません)、4層分層注入にはこだわっていません!

理由は再三説明しているように、

分層注入では、絶対にバストの高さが出せないからです!

分散注入は分層にこだわるだけでは美乳にならないからダメ!

あくまで下乳・外乳・高さをバランスよく出しながら正しいエリアに少量で分散注入が大原則!

で、これができるのは今のところ

5D注入法のみ

です。

しこりのリスクを下げる方法④ 不純物を最小限にする! コンデンスするだけでは不十分!

脂肪注入時の不純物って、なんでしょうか?

吸引時に出血して混入した血液、吸引時に破壊された脂肪細胞由来のオイル、麻酔液に混ざる薬剤の成分…。

まあ、こんなものかと思いますが、これが混ざった脂肪だと

定着率が下がる=しこりのリスクが上がる

と聞いたことがあると思いますが、それ本当?

これらの不純物を除去する程度では、自分の18年の経験からして

殆ど定着率は上がらない!

と思います!よって

しこりのリスクも下がらない!

訳ですね。

大体、これらの不純物を除去すると謳われて製品化しているのが、

コンデンスリッチピュアグラフト

ですが、やれどちらの方が定着率が高いかとかの論争がありましたが、どちらも使用した脂肪豊胸歴18年の自分から言わせて頂ければ、どちらも殆ど定着率アップの効果がなく変わらないです!

これらで定着率が上がると言うのは完全に幻想です!

ではせめて、しこりのリスクを下げられないか…?

こちらも無理でしょう。その理由を解説します。

①のしこりと②のしこりの原因について

脂肪豊胸のしこりの2パターン

について、もう一度復習しておきましょう!

①良性で中身が液体の嚢胞性(オイルシスト)で、メスで切らずに注射器で除去できるもの(広義のしこり。しこりに混ぜるのもどうかというレベル) 

 ②良性だが中身は半固体(ジェル状)固体(肉芽腫・石灰化)で、メスで切開しないと除去できないもの(狭義のしこりというか正真正銘のしこり) 

でしたね。

このうち

定着率が100%でない限り、ある程度の確率で起きうることで、ある意味仕方がないと言うか割り切らないと豊胸手術は受けない方がいいです!

万が一できたとしても除去に切開は必要とせず、慣れたドクターであれば注射器で簡単に吸い出すことが出来ますから!

(逆にこの程度であれば、しこり!しこり!と大騒ぎするレベルではないくらいだとさえ考えていますし、ついでに言えば、

注射器で吸い出す処置自体が出来ないドクターは脂肪豊胸手術をするべきではない

と思います!)

これに対して

絶対に避けておきたいのがのしこりで、こちらに対しては勿論ナーバスになった方がいいです!

では、この②のしこりの素はどんなものかわかりますか?

恐らく、こちらが原因です!
スクリーンショット 2025-04-11 21.38.24
これ、なに…?

はい! 

脂肪吸引の時に、脂肪と一緒に吸引されてきた繊維組織

で、これこそ②のしこりの最大の原因となる

立派な不純物

なんです!つまり

脂肪豊胸手術では、これを一緒に注入しないように最大限の注意を払う必要がある

と考えています!


もう少し説明すると、

皮下脂肪組織って、言うなれば筋子みたいなもの

なんです。

脂肪豊胸手術では、それを吸引してくるのですが、この時

筋子=いくら+繊維組織(=要注意の不純物)

というのわかりますか?(笑) つまり

脂肪組織=脂肪細胞+繊維組織(=要注意の不純物)

なんです。これらがそれぞれ定着しなかった場合どうなるかというと

脂肪細胞はそのまま定着できるか、死んで変性したら殆どがオイルになるだけ

なので大体が吸収されますが、

わずかに吸収され残ったものがオイルシスト(液体)になる

と考えられます。

これに対し、

繊維組織はそもそも定着するということはなく、またオイル(液体)になって吸収されることもなく

この繊維組織こそ肉芽腫石灰化のしこりになる

と考えられます!

それでこの繊維組織は、先程のコンデンスリッチやピュアグラフトでは脂肪と一緒になってしまっているので除去できません

だから、

コンデンスリッチピュアグラフトでは、しこりのリスクを下げることが出来ない!

と言っているのです。

この繊維組織は、脂肪吸引前と術中と吸引後すべてで混入しないように氣をつけないとダメで、これに対して昔から注意を払ってオペしているドクターというのを自分以外に知りません!

だから

自分のオペでは、しこりといっても簡単に注射器で除去できるオイルシスト程度しかできないんですねー。

②のしこりのリスクを最小限にするためには、脂肪吸引で繊維組織の混入に最大限注意しないといけない! 吸引後にコンデンスやピュアグラフトをしても除去不可能!

ちなみに…

脂肪吸引で繊維組織の混入を減らすと②のリスクが減って、深刻なしこりのリスクが減る!

ので、これは

すべての脂肪豊胸をするドクターには義務付けるべきというくらい大事なこと

ですがー。


これをすると起きる、困ったことって、なんだかわかりますか?


答えは


バストが全然大きくならない🤣

えー?豊胸なのに大きくならない?

注入の仕方として全然大きくならないパターン①はどっちにしろ大きくならないので関係ないですが、

パターン2でキャパ以上に大量に注入する方法をとっても、今までの様に全然大きくならない!

つまり、

パターン2で大きくなっていたのは、

大量注入の脂肪+それ以上に繊維組織(不純物)

によって大きくなっていたのです!!

これがわかったのは、アキーセルや、それに準じた脂肪吸引で不純物を極力少なくするようにしたら、全然大きくならなかった苦い経験があったのです。

ただ、これを知らずにまだ不純物の除去をせずに大量注入をしているパターン2の手術方法をとっているところは、

②のしこり(肉芽種や石灰化の塊)ができるという、大変よろしくない脂肪豊胸手術をしているわけですし、

かといって不純物を除去すると、大量注入によって巨乳に見せかけることも直後以外には出来なくなってしまいますよ。

以上のことを踏まえると、

肉芽種石灰化といった酷いしこりのリスクを抑えるために

①脂肪吸引の不純物を極力抑え

しかも注入量を

②片胸180cc以下の適量注入

にしてもなお

立体的な美乳をつくれる5D注入法

というのは、かなり優れものの技術と経験が詰まった、

現段階での最適解!

自分にしかできない手術方法なのです!

このコラムを監修したドクター

院長 坂内誠
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 院長 坂内 誠

保有資格

医学博士/美容外科専門医

経歴

  • 1995 新潟大学医学部医学科卒
    新潟大学医学部附属病院 外科勤務
  • 1997 新潟大学医学部大学院外科学1入学
  • 2001 同上卒 医学博士取得
  • 2006 大手美容外科入職
    都内大型院の院長を務め、グループ内の年間脂肪豊胸手術件数全国トップを毎年記録
  • 2020 銀座3丁目・BANNAI美容クリニック開設 院長に就任

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